無修正シャングリラ
燃えないゴミのような日に
燃えるゴミを捨てに行く
もうくたびれたと笑っている
歯が花びらのように抜け落ちていく
つたないつたわらない言葉たち
低俗な俺は継続不能な未来を
ただ言葉だけを使って可能にしようと試みる
あと何度謝れば 許していただけるのだろうか
星や月や雨や土や、米や皿や雲が
代わる代わる軽々しく話かけてくる
あと何度謝れば 許してくれるのだろうか
味や香りや音や光や、金や夢や猫が
代わる代わる軽々しく話かけてくる
あと一度だけ謝るが もうどうだっていい
抜け落ちた歯が黄ばんでいる
街はケモノ臭い食で溢れている
そのニオイに家畜どもの足が群がる
街はキナ臭い話で溢れている
そのニオイに昆虫どもの足が群がる
次は誰が喰われるのだろうか
脂ぎった魂になっているしかし
家畜も昆虫も俺のよりいい靴を履いている
風が通訳者のように俺の耳元で囁くが
俺はこの街とは意思疎通が取れない
割れた地面から花が生まれているが
俺はこの街とは意思疎通を取りたくない
給料明細不動産広告自己啓発書
秋を消失した街をあとにして
右から四番目の日へ旅にでる
コメント
同じ臭いを嗅いでいたように感じます。全く同じ臭いじゃないにしろ同じなように思うのでした。