ニュータウン
仮説足場組立工事が始まると
いつの間にか ダークグレーな防音シートは
しのつく雨に暗くそびえ
まるで封建制度の時代にたてられた牢獄の様
もう あれから一年半も経つのか
不意に思い出す 初秋の夜
星は 月光に掻き消され
私の部屋から 向かいに建つマンションの
すっかり消えた窓灯り
霧、なのか分からない雲が 陸屋根にかかっていて
高層の三階に居ると五階のベランダの側にも
薄い白っぽく流れる かたち有るもの
それは
かつて県内ただ一つの百貨店だったショッピングセンターの
屋上にもかかっている
屋上には シートで包まれた巨大なネオン管看板
幼い頃から親しんだそれも、
解体工事を待つだけとなり撤去される
樹々はねむり
虫の音ばかり沁みてきて
形状を変え流れゆくものの
はやさばかり、目で追って
満月でもないあの月は真っ白いだけで
私に 背中を向けている
サッシとの滑り悪くなっている網戸を閉めると
擦れて歪な音が夜気に 響いたのだった
湖岸道路の信号機の音が 私を
あてどない想いから現在へ引き戻す
建設地一帯を囲う目隠しフェンスに貼られた宣伝広告では
京滋エリア史上最大
七百八邸の新築分譲マンション
此処に間もなく、新たなビッグタウンが産声を上げるのだ
コメント
ド素人写真で、すみません!(^^;; 編集しても綺麗にならなくって。…。(´・ω・`)
しのつく雨
ねむる樹々
センスを感じます
@那津na2
様へ
いつも、どうもありがとうございます!コメントお寄せくださり嬉しいです。( ´ ▽ ` )
お褒めの言葉をいただきまして、光栄に思います。これからは画詩も、楽しみながら
公開させてもらいたいと望んでいます。⭐︎