無人駅

無人駅

じゃあ、ここで、と
出張の帰りに送ってもらったのは
田舎の淋しい駅だった
上りの列車は発車したばかりで
あと小一時間ほど
待たなければならなかった
僕の他に誰も見ない電飾が
余計に淋しさを増していた
この写真を撮った後
犬を看取ったと
妻から連絡があった
八年飼っていた犬だった
独立心が強く賢い犬だった
僕よりずっと妻になついていた
無人駅なのに
何もしてあげられなかった

投稿者

コメント

  1. この写真は
    なんでしょうか
    言葉にならない
    宇宙や、歴史の最果ては
    何もない無人駅

    イルミネーションのイミテーションの
    動物

    いてくれることの救い
    救いなのかな、、
    失礼しました。

  2. @wc.
    wc.さん、コメントありがとうございます。
    世界や歴史の隅々まで物事は整っていて精密機械のように細かく細かく動いている、そんなものを模したものが精密機械ならば当たり前なのだけれども。
    二両編成の小さなディーゼル車に乗りました。ゆっくり座って帰れるかなと思いましたが、この駅の更に奥の方は紅葉が遅いスポットで有名らしく、結局座れませんでした。帰って、犬の埋葬の手配をしました。かみさんは何も手がつけられない状況で。そんな年末がかつてありました。

  3. すげーかっこいいす!

  4. @那津na2
    那津na2さん、コメントありがとうございます。
    かっこいい、良い言葉ですね。日々の生活の中でもそのように褒められたことはないので新鮮だし、悪い気はしない、というより、むしろいい気持ちです。詩を書くことも含めて、格好良く老いていきたいものだと、しみじみと思います。

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