マネキン
わたしを見つめる
ちっちゃな淑女の憧れは
既にわたしの服を着て
目抜き通りを歩いている
あまりにも可愛くて
微笑んでしまったけれど
わたしに「顔」は許されていない
身体すらわたしのものではない
綺麗なガラスに隔てられて
見られるはずのないあなたと
見るはずのないわたしは
永遠に出会えない
わたしを見つめる
ちっちゃな淑女の憧れは
既にわたしの服を着て
目抜き通りを歩いている
あまりにも可愛くて
微笑んでしまったけれど
わたしに「顔」は許されていない
身体すらわたしのものではない
綺麗なガラスに隔てられて
見られるはずのないあなたと
見るはずのないわたしは
永遠に出会えない
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コメント
わたしに「顔」は許されていない/身体すらわたしのものではない
ここを、読者が、どう読むのかでしょう。
ちっちゃな淑女の視線で読むか。大人の視線で読むか…。
このマネキンは目抜き通りをくるくる回って
掃除してくれたら街が綺麗になりますからと
魔法使いならおまじない。
この詩人と街歩きしたいなぁ、と思いました。
なぜかブレードランナーが浮かんだのです。
擬人化の行き着く先に思いを馳せました。
ちっちゃな淑女が歩く姿も。
どこか悲しい。
長谷川 忍 さん
>ありがとうございます。
オジサンの視線で読むと、救われない感じがしますよね(笑)
いろいろな読み方をされたら本望です。
足立らどみ さん
>ありがとうございます。
素晴らしい発想だと思います。
実際に動いている姿を想像するとなかなかのホラーですが(笑)
たちばなまこと さん
>ありがとうございます。
もしかしたら書いたのは隣のビルのマネキンかもしれません(笑)
あまね さん
>ありがとうございます。
ブレードランナー、ちょっとかすめました。
でも、未来どころか近未来すらなかなか来ない感じですね。