心感デッサン14 -世捨て人-

心感デッサン
2024.4.22
by frogmorton

-世捨て人-

夕刻 空は どんより 闇に成る
 其 以上に 漆黒な 山が
夜霧 に 混ざり

ごうごうと 唸り 攻めて来る
 小さな 家明かりも 呑み込んで
生きた 巨大生物が 全てを 喰らう

きっと いつか 私も 喰われる…

-坂口先生-
 人間は 堕ちる
生きているから 堕ちる
 もぉーっと 堕ちろよ

-堕落-
 自己破壊思想
迷惑等 考えず 吸い込まれた
 行き交う 車道を
左右構わず 飛び出した

酒 煙草 自殺未遂 薬
一番 愚かな自分を 分かっている

-夢-
 夢を見た
一番わたくしを 理解し
 味方で いて 傍に居る方から

見放された 夢 だった

号泣した後 わたくしは
 カッターで 左腕を 切り裂いた

それでも逝けず
 病院で
一滴残らず 血を抜いてくれ
 と、 頼んだ

大きな硝子ビンに どんどん
 吸われた血が 泡立ち
溜まっていく

其でも あの 大切な 人を 呼び
 逝く世界が違っても
私は 貴方を 忘れない…
 そう 囁いた

身体は 手足から
 どんどん 麻痺して 冷たくなっていく
2つの ビンが 満タンに なり
三本目 真ん中に きた時

夢から 覚めた

-不道徳-
わたくしは 自分の呼ぶべき
 『家族』からしか
理解されない
 道化 です

本当の 自分は
 夢 で 見た 姿 でありましょう
何もかもが 愚か で
貴方が 居ないと 生きられない

不信頼 とか
 表裏だけ見て 離れていく人
誰に 理解されずとも

ただ、貴方だけに
 見つめていられるのなら

他には 誰も 必要 無い
 たった一人の 唯一の理解者だから

-貴方-
 貴方のためだけに生き
  そして、死んでいく…  

投稿者

東京都

コメント

  1. 理解とはそれが、一端であろうと、理解だと言われうるし、またそれが本質的全体をつかむもの、であっても全体とは言い難いものであろう、なぜなら人間の、くまなくすべてを、理解することは、〈不可能〉と言うしかないからである、そのような存在であったとしても、われわれは自己の全体を、そのまったく完全体として、理解されることを願うのである、そしてそれは有意味であり、必然的本来性からの、自己の要求である、この生きている自己の内部からの、切迫した理解せよとの欲求は、まさしく人間的意識的存在としての希求である。そしてわたしはそれが実現可能なものであると思う、ただそのように思うだけであるとも言えるし、そしてただそのようである〈真実〉が存在するだけである、とも言える。どのようにしてそれが可能であるのかについて、詩は何も語りえないのだけれど、詩の言葉は、はるかな〈しんえん〉へと、語ろうとするのである。

  2. @坂本達雄様

    私の詩をお読み下さっていつもありがとうございますm(._.)m
    貴方様のコメントを拝読し貴方様の、哲学思考に、とても感服致しました。

    人を100%理解する事は文字通り不可能だと思います。昨日まで咲いていた花が今日には枯れてしまうように、全てのものは、移り変わり行くものです。
    其は全てのものである限り、人の心も移り変わるものです。そこで理解というそういった性質も、理解から全て変化していくものです。なので、理解しきれるのはこの世において、不可能なのも、しごく当然だと思われます。

    私のようなものが、貴方様の深い哲学思考に対して生意気な事を申し上げました。
    御許し下さい。

    これからも、どうぞ宜しくお願いいたしますm(._.)m

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