かなしみ
かなしみは
かなしみのまま
さびしさも
さびしさのまま
それがささやかなものなら
ながれに
まかせてしまうのがいい。
むりにまぎらわしたりせず
やわらかなみずのまま
ながしてあげたらいい。
みずはやがて
あなたじしんをうつしだす
つめたさのなかにうれいがあふれる
うれいは
きっと
あなたをまじめにさせるだろう。
けさ
かなしみがうまれた
ほんのけしつぶほどの。
たいせつになさい。
かなしみは
かなしみのまま
さびしさも
さびしさのまま
それがささやかなものなら
ながれに
まかせてしまうのがいい。
むりにまぎらわしたりせず
やわらかなみずのまま
ながしてあげたらいい。
みずはやがて
あなたじしんをうつしだす
つめたさのなかにうれいがあふれる
うれいは
きっと
あなたをまじめにさせるだろう。
けさ
かなしみがうまれた
ほんのけしつぶほどの。
たいせつになさい。
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コメント
すごく染みますね。
喜怒哀楽の感情もそれぞれあって自然なので、「かなしみはかなしみのまま/さびしさもさびしさのまま」ですね。
「たいせつになさい。」
はい、大切にします。
あぶくもさん
うれい(憂い、愁い、患い)という言葉が、ずっと気にかかっていました。この感情を、表現してみたかったんですね。汲んでくださり、ありがとうございます。
哲学的でもあり、ひらがな表記が、優しさと柔らかさを表していて、スッと心に沁みてきます。
渡ひろこさん
時々ですが、ひらがなだけの詩を書きます。視覚的な柔らかさや、文字の音感を味わいのかな、と思います。抒情的な表現に合っているかもしれませんね。
すてき。
たいせつになさい。って、余韻がいつまでも残ります。
ひらがなだけでかいていたなんて気がつきませんでした。
たちばなまことさん
最終連は、励ますような感じで書きました。かなしみを励ます、というのも、なんだか変ですが、でも励ましたかったんです。たちばなさん、ありがとうございます。
足立らどみさん
最初から、ひらがなだけで書こう、と書き始める時と、書いているうちに、…なんとなく、ひらがなだけになってしまった、という時と、両方ありますね。この詩は、最初からひらがなを意識して書いた詩であります。
長谷川忍さん
なぜ、最後まで読み終えても、
ひらがなだけだと感じさせないほどの読みごたえがあつたのか、
その答えがわかったときは、
もしかすると私も詩がかけるのかもと、単なるポジティブ発想
ですが、一瞬、思いました。
真似をしたいとか、ではなくて、タイミング、頃合い(同じか)、
空気の呼吸というか(ごめんなさい)、、、、表現できない。
私がわからないだけで、長谷川忍さんの真骨頂なのかしら
ありがとうございました。
何か、肯定されたような気持ちになりました、ありがとうございます。
足立らどみさん
作家の山田太一さんが、以前、エッセイの中で、悲しさや、寂しさ、という感情の大切さについて触れていいらっしゃいました。それが、ずっと私の意識の中に残っていまして、そこから書き始めた詩なんです。山田さんも、人間の弱さを主題にしたドラマや小説をよく書かれていました。
timoleonさん
たちばなさんのご返信のところでも書いたのですが、励ましたい、という気持ちがありました。ささやかな気持ちではあるのですが。こちらこそありがとうございます。