かなしみ

かなしみは
かなしみのまま
さびしさも
さびしさのまま

それがささやかなものなら
ながれに
まかせてしまうのがいい。

むりにまぎらわしたりせず
やわらかなみずのまま
ながしてあげたらいい。

みずはやがて
あなたじしんをうつしだす
つめたさのなかにうれいがあふれる
うれいは
きっと
あなたをまじめにさせるだろう。

けさ
かなしみがうまれた
ほんのけしつぶほどの。
たいせつになさい。

投稿者

東京都

コメント

  1. すごく染みますね。
    喜怒哀楽の感情もそれぞれあって自然なので、「かなしみはかなしみのまま/さびしさもさびしさのまま」ですね。
    「たいせつになさい。」
    はい、大切にします。

  2. あぶくもさん
    うれい(憂い、愁い、患い)という言葉が、ずっと気にかかっていました。この感情を、表現してみたかったんですね。汲んでくださり、ありがとうございます。

  3. 哲学的でもあり、ひらがな表記が、優しさと柔らかさを表していて、スッと心に沁みてきます。

  4. 渡ひろこさん
    時々ですが、ひらがなだけの詩を書きます。視覚的な柔らかさや、文字の音感を味わいのかな、と思います。抒情的な表現に合っているかもしれませんね。

  5. すてき。

    たいせつになさい。って、余韻がいつまでも残ります。

  6. ひらがなだけでかいていたなんて気がつきませんでした。

  7. たちばなまことさん
    最終連は、励ますような感じで書きました。かなしみを励ます、というのも、なんだか変ですが、でも励ましたかったんです。たちばなさん、ありがとうございます。

  8. 足立らどみさん
    最初から、ひらがなだけで書こう、と書き始める時と、書いているうちに、…なんとなく、ひらがなだけになってしまった、という時と、両方ありますね。この詩は、最初からひらがなを意識して書いた詩であります。

  9. 長谷川忍さん
    なぜ、最後まで読み終えても、
    ひらがなだけだと感じさせないほどの読みごたえがあつたのか、
    その答えがわかったときは、
    もしかすると私も詩がかけるのかもと、単なるポジティブ発想
    ですが、一瞬、思いました。
    真似をしたいとか、ではなくて、タイミング、頃合い(同じか)、
    空気の呼吸というか(ごめんなさい)、、、、表現できない。
    私がわからないだけで、長谷川忍さんの真骨頂なのかしら

    ありがとうございました。

  10. 何か、肯定されたような気持ちになりました、ありがとうございます。

  11. 足立らどみさん
    作家の山田太一さんが、以前、エッセイの中で、悲しさや、寂しさ、という感情の大切さについて触れていいらっしゃいました。それが、ずっと私の意識の中に残っていまして、そこから書き始めた詩なんです。山田さんも、人間の弱さを主題にしたドラマや小説をよく書かれていました。

  12. timoleonさん
    たちばなさんのご返信のところでも書いたのですが、励ましたい、という気持ちがありました。ささやかな気持ちではあるのですが。こちらこそありがとうございます。

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