忘れ花
いつのことでしたか
忘れてしまいましたが
絶句したその無言の先に
あの日がちらついていたのは、確かです
日溜りの微笑む
静けさのなか
涙は花ひそめ
無表情に泣いていました
それはかなしさのためでもなく
翼が、陽に透けるのに似ています
空の耳に声は届いたろうか
つくしの胞子で星星をなぞらえるように
あなたの後ろ姿がしんとそよぎ
凛とした目に映る風の遠いこと
手に手を重ね
海溝に泳ぐ魚のいかにも無音なかたち
その唇からもれた刹那
わたしは、鳥となりました無数に
星が宿るというのは本当のことです
またひとり、またひとりと風に染まり
いちども空は落ち果てません
(雨は、帰るのです)
わたしの目には
今でも空が映っているだろうか
風のなか、花が咲く
※忘れ花=忘れ咲きの花=時節がすぎてから咲く花。
その時でないのに咲くこと。また、その花。かえりざき。
コメント
時の流れによって季節は変わり、時の流れによって人も立ち去ってゆく。
別離がやがて鳥や花となり黙して回顧しているのかと感じました。
そしてそれは宇宙への回帰となって胸に残ります。
人の心は季節を問わず(もちろん季節も大いに影響しますが)想いに耽ります。
王殺しさんへ この詩は、王殺しさんの感じた通りですね。
その書かれた詩には、ある意味、答というものは無いといつの頃からか思うようになりました。読んでくれた方が、その詩から自由に感じたり思ったりしてくれることを作者としての私は思います。
はい。時の流れによって、季節も人も変わったりしていく。そのなかで、人はおもう。おもうのですよねぇ。うん。
王殺しさんが、この詩から さまざまに おもってくれて、ありがたいです。ありがとうございます。
訂正 ×読んでくれた方が、その詩から自由に感じたり思ったりしてくれることを作者としての私は思います。
○読んでくれた方が、その詩から自由に感じたり思ったりしてくれることを作者としての私は望みます。
望む、という方がこの場合適しているかもしれません。拝礼
うーん、「読んでくれた方が、その詩から自由に感じたり思ったりしてくれることを作者としての私は望みます。」といって、「望む」のもなんか おかしいかもしれませんね。
私が望まなくても、読者さんは、ご自分の感じるままに感じたりするでしょうから。
すみません。とにかく、読者さんが、好きなように読んでくれるのが、ありがたいです。いつも読んでくださいまして、ありがとうございます。
まあ、詩本編とは直接には関係ないことをコメントするのは、できるだけ控えたいです。拝礼
あ、皆様はしたい時はコメントしてください。拝礼 ^^