異邦人
ギリラ太陽の掌は子供ラを素早く接触し
永遠や言い訳や青白く発狂する群集の瞳を
醜いひょおげんのアイシテルへ包むだろうか
静寂は脆弱に成熟して = 37度5分の時間
脆弱は成熟に静寂して = 宗教的な射精の感覚
成熟は静寂に脆弱して = ハロー・マイダーリン
これら反動的イメエヂは地上にスルズルと流れ込んで
私はどんな表情を額に貼り付けるのか期待したが
粛粛と侵されゆくセイシンは曲線の美に揺れて
近すぎる彼方の誤差には気付かれるだろうか
世界は奇怪に誤解して = 匿名主義の虜
奇怪は誤解に世界して = 戦争と平和
誤解は世界に奇怪して = FUCK!
まるで単色のレインボウを飾るように
煌めく汚れる忘れ去られるアナタだ
[TONOMOTOSHO Rebirth Project No.046: Title by ウエハラレイ]
コメント
この作品もいつものトノモト節が貫かれています。それはタイポグラフィによるシャープな様式美。湿っぽい言葉ではなく、尖った言葉による鮮烈なイメージ。異邦人だけに中東の乾いた熱い風が感じられます。
この詩は、私にはむつかしいです。しかし、言葉の一つ一つから、生(せい)のエネルギーを感じます。そして言葉の連動が美しいとも感じます。
二連目の、「静寂は脆弱に成熟して」。五連目の、「世界は奇怪に誤解して」。ともに、三つの言葉の組み合わせを替えることで、答えが違ってくる。まるで方程式を解いているような面白さがあります。カタカナの使い方も効果的ですね。作者の意欲を強く感じました。