ダビデの信仰

ダビデの信仰

黒くかすんだ〈いかだ〉が流れて来る
その触感、その匂い、そして果物の汁のように
天地の際立ったエンクロと目やにの岩のごとく
生きて来たカンザスの黒牛の舌に鍋に錆びた包丁
気配する罪人の胞子である前に、絶倫のまえだれ
先駆けて四輪戦車の上から弓射する
オレンジとマテバシイは命の〈いかだ〉へと
黒々として陸運局からの警告を無視して、なお求めてやまず
それはしだいに人間的意識を放射して
諸代官たちの耳の穴に記憶の言葉として残るでしょう
コオロギの声に驚いて〈まさかり〉の柄を強く握り、はたして
驚くばかりの力でもって、諸国の大使は王墓へと急行せり
時間が生み出す〈くうかん〉の意識的破壊の徴にせよと言う
デリバリーの鎌倉半島で義経の首塚が荒らされている
戦車部隊が到着するまでは、決してその滝に入るでないぞ
重層的判断の果てには、判決の皮がめくれて
我が快感は増すのである、衣川の僻地においやられてその場所で
母の乳房で地神のふんどしで
オダマキの変更された淫行の果てしなくつづく夜間飛行へと
極礼の惜しみなく泪のかんざしに炎をくべるのである
諸君の認知できる範囲で、庶民の感覚できる範囲で
詩の北極星がヤスデのように地べたをはうのであろうか
ケマンソウがわたしに失望する、薬剤師の彼の御託とともに
見よ彼は心臓の穴から放水する
虚腎のうつろな眼の窪みにしげるノイバラの花は
サルタヒコの粉砕した都市国家の上に再興される婆羅門である
すんでのところで、金鹿の角ふりまわし、蹴倒して、さらには
ホトケノザ、道貫の腹に穴開けて、つつきまわし
最期にはくるくるまわして街道へと投げ出したのである
虚勢をはるのでないぞ、虚なる神の言葉で張り倒す
おまえのみぞおちのチーズのように、とろけるばかりの
イカンガーのふみしめる神々の頭には一礼す
恐竜的ジンマシンが臍を縦に切り裂いていく、そこでじゃ
わが師匠の声が言う
詩的解釈によって私的に介錯された罪人は城外に捨てられる
すなをかむ、はらはらとすなをかむ、しくしくと砂をはむそーせーじ
けだし日本の海岸線からはフィーファスが流れ出す
井戸の底から首をだして、ゼノンの時間が見つめるのは
ヤマブキの花のしげしげと
ただたちふさがる
この城壁。

投稿者

岡山県

コメント

  1. イメージとしては、
    混沌とした迷いと
    自詩への、嘲笑と自戒であるように感じました。

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