ドリル

死の匂い嗅ぎつけ
待ちわびた青さ
軒並み改修工事のビル
ら午前中の
コンクリート壁が
断続的に削られ
ドリル音で
音声通話は
通じあわない
断末魔のような
あなたの声は
まだそこに居て
ただ耳石だけ揺らし
カタチにならないまま
壊れて、その日
比喩の届かない
真夜中の鳩尾まで
落ちて骨

投稿者

東京都

コメント

  1. 自分は詩作の時、意識的に言葉を選んでいくというより、そこにあるべき言葉を探して当てはめていくような感じで書きますが、この詩はまさにそこにあるべき言葉が正確に並んでいる気がします。最後の二行がたまらんなあ。

  2. トノモトさん/コメント嬉しく思います、自分は言葉の魅力に引っ張られてしまうので。自問すると、どんどん自閉的になり、どんどん言葉も少なくなってしまい、最後には無になりそうです。

  3. 比喩の届かない
    真夜中の鳩尾まで
    落ちて骨

    この三行が、…エグいです。
    自閉的というのは、詩人の性(さが)なのかもしれません。この詩は、言葉をかなり削っていますね。その先が、無になるのか、鋭敏になっていくのか。作者の感性の部分とも被ってきます。

  4. 長谷川さん/ありがとうございます、あまり良くできた詩をかかないように、と思うと、滅入りますし、うまい詩を描こうとすると自分があざとくおもえてもしまいジレンマです、なんか人生相談みたいになってしまって、すみません。また描きます。

  5. 比喩が届かない、かあ
    カッコいいっす

  6. アーバンですね。
    こういう風に書くの、憧れます。

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