にわか雨

ポケットの中には
いつも雲があった
指で触れると
それはわたしにとっても
窓のひとつだった
その向こうに広がる
何もない野原
弟のような匂い
植物を育てることだけが
少しずつ上手くなって
ここに名前は存在しない
にわか雨
体温の囁きと
つき続けなければならない
一握りの嘘
ポケットの中
指先に触れたのは
雨上がりの
多分、虹だろう

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コメント

  1. 体温の囁きと
    つき続けなければならない
    一握りの嘘

    それは、悲しいことなのかも かもしれません。かもしれませんが、大切な嘘ですね。私もそういう嘘をつく時があるかも。

  2. 虹は七色というより、刹那の在るがままの色なのだと感じました。
    名前をつければ、もうそれでは無くなってしまう。
    言葉にならないものを言葉にしようとしている自分は何なのかと。
    つい考えてしまいました。

  3. @こしごえ
    こしごえさん、コメントありがとうございます。
    嘘をひとつつくと、それを守り続けるために嘘を重ねて、そのうちに嘘同士の整合性がとれなくなってしまう、それが嘘をついてはいけない理由だ、と言う人もいます。
    嘘をがバレて怒られるよりも、がっかりされることの方が、ずっと辛いものですね。

  4. @風太郎
    風太郎さん、コメントありがとうございます。
    言葉にならないものをどうにかして言葉で表現する、そのために詩を書いているのだ、とふと思い出しました。
    そのために、言葉やイメージを重ねて、重ねて。ときにはグロテスクになってしまったり。
    もっとシンプルに伝えられたらな、と思う時があります。

  5. 自分だけの自分のための自分に戻れる世界。
    日常の慌ただしさで、自分を見失いがちですが、ポケットの中に世界を入れておけば、いつもそこにある安心、すぐ思い出して立ち戻ることもできますね!
    気づけば、私は目の前のことにせかせかしがちなので、ポケットに入れてあることを、忘れないようにしなきゃ…。

  6. @野鳥倶楽部
    野鳥倶楽部さん、コメントありがとうございます。
    日常は慌ただしいものですね。職場でも、家庭でも、実家でも、地域でも、様々なシーンで様々な役割を使い分けて。自分が自分である時間や場所は、大事にしたいですよね。私はごく稀にですが仕事をサボって、一人旅をしたりします。

  7. ポケットの中が本降りではなくてよかったです。もやもやの向こうに綺麗すぎる景色はあるけど
    そればかりが手繰れる毎日ではない・・・それでもにわか雨のあとに虹は出る
    触れない気持ちの切り替えが感じられました。

  8. @kフウ
    kフウさん、コメントありがとうございます。
    ポケットの中が本降りではなくてよかった、その言葉に救われた感じです。
    虹が好きで、詩の中でもいつも虹を追い求めている気がします。

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