
青い幾何学の午後
白壁にこびりついた
濃紺の幾何学パターン
風がゆするたびに
時間は形を崩し
テーブルの上に
解読不能な暗号をこぼす
それは
光が沈黙と妥協して
もっとも冷めた
太陽の筆跡
海から空へ
切り立った青い壁
コバルトの重力が
背中をゆるやかに灼き
私は
圧倒的な「世界」の彩度から
一冊の紙の束へと亡命する
膝の上の
白い空白(余白)こそが
私が今
唯一 呼吸を許された領土
水平線が
思考を断ち切るように
線を引く
私は 本を閉じない
なぜなら
この光と影の静けさが
すでに一編の
終わりのない叙事詩として
私の胸を
満たし続けているから
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