旅に放つ

掴み損ねる湧水の
その上澄みの純なることよ
底では色色の砂土が
渦まいているというのに

手のしわ目に残りしは
まだ萌えきらぬ淡い木の葉
赤子の頬に触れるが如く
そっと撫でては放流する

可愛い子には旅をと云うからには
おのが愛しき私にも旅をさせよ
余所事でなく自分事でもない
御伽の風化を待つあの川上へ
往くと決めしはわが為か

若葉恋しくも見守らず
鳴りし足を奮起すべし

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