どこ吹く風

争奪戦を繰り広げ
僕は首尾良く
窓側の座席をせしめ
やれやれ
ひと眠りというところ

満席の車両に
颯爽とやってきたのは
細い肩にランドセルの坊や
空席を漁る素振りは露も見せず
床に黄色の傘をひと突き
長靴の足で直立

彼を横目にした
僕と同士の
我先の勤め人たちは
黒光するランドセルの眩さに
顔を上げることができない
彼はどこ吹く風

誠に手前勝手でありますが
年を経ようとも
彼は立ち続けんことを

いつまでも
真っ直ぐに

投稿者

大阪府

コメント

  1. 座席の争奪戦
    とてもよく分かります。
    眠ったふりをしようか、譲ろうかという自分との闘いもありますが、結局自分を優先してしまう・・・
    若さの中に純朴さを持っている方々には頭が下がりっぱなしです。
    野鳥さんの「坊や」や「嬢ちゃん」などの言い回しがとても好きです。

  2. @kフウ

    嬉しいコメントありがとうございます。

    この詩は、争奪戦でせしめた席で作りました。運良く座れたら、日頃満員電車を耐えている自分へのご褒美、かもしれませんね。

    「坊や」は「少年」に変えようか迷って、坊やのままにしたのですが、変えなくて良かったです!有難いお言葉、感謝です。

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