
久留里線の乙女
※本作は創作による詩的表現であり、人物描写は象徴的なものです。実在の個人を示す意図はありません。
詞書
上総の山川(やまかは)の間(あひ)を細く通ふ路(みち)あり。
雨霧(あまぎり)たなびく日、谷の底に古駅舎ひそみて、
人の営み絶えず続くを、ひとり乙女のごとく運びけるを見て詠める。
本歌
雨衣(あまぎぬ)を 肩に纏ひて
山越ゆる ほそき乙女ぞ、
消なむとぞ 風のささやく
谷の細道(ほそみち) 今日(けふ)も運ぶ。
古駅舎(ふるえき)の 木(こ)の息づきに、
名なき日の 灯(ひ)はほの白(しら)し。
反歌
雨の音(ね)に 乙女の息を 聞きとめて
消えなむものを 守らむと思ふ
コメント
久留里線も久留里駅以降は廃線が決まり今後はバス運行になるそうですね。木更津~久留里まではどちらかというと田園地帯。久留里から先、亀山に向かって山間深く入っていく感じ。
時代、というのはどうしようもないのでしょうね。消えていく、それはいつの時代にもあって、消えて、そして新たに生まれて。
捨てて。
そして、守って。
その遥かな繰り返し。亀山の温泉が好きでした。ホテルの方ではなくもう一軒の方。露天風呂から眼下に亀山ダムが見下ろせて。
情景が目に浮かぶ素敵な詩をありがとうございました。
@たけだたもつ様
コメントありがとうございます。感謝致します。