あれは愛だったか
ためいきをついたら、
ふと
あの夜の
あの人のことを
思い出した。
今はうずかないで
私の左手の薬指に在る
刺青(しせい)は、
今
つやつやと
光を
反射しているのであった。
あの人は
今
ほほ笑んでいるだろうか
斜め上の宙を
みつめると
空気は
どこまでもいつまでも
しっとりとしていて
遠い
遠いのに
ここに在る
静かさ
空気は見えないのに在る
と
言ったのは
私だったか
思い出していくと
あの人が 私に
ほほ笑んだのは
一度限りだったか
無限
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