呼ばれない
形が崩れていくように
背中に手が届かないような
絶望と、
倦怠感を
一度だけ夏の飽和で
繰り返してしまいました
蝉が鳴く頃、
夕暮れのチャイムが鳴り
家へ帰る頃、
手汗を気にして
汗の湿度がわかるくらいの
近い距離で
触れる
触れた、
痛かった
もうどうしようもないんだと思いました
夏の歪んだ感情には
どうしても押しつぶされてしまいます
だから、
森へ連れて行きました
枯れ葉を踏む音が木霊する
「どうしてもダメだった」
葉が舞って
涙を押し殺して
重い密度の中の命を感じる
声が枯れるほど叫ぶのに
神様には到底届かないから
手に力を込めるのです
もう枯れ葉の音は鳴らない
葉が祝福を奏でている
琥珀色の空を見ていました
夏の終わりより、
切り傷を爪で広げて
爪の間の垢と血は私を見ている
しょうがないことでした
壊れないと思っていた玩具は壊れてしまいました
脈動していました
爪の間の血を唾液で落とそうとする
勢い余って喉に手が触れてしまって
それが全ての終わりの合図でした
汗が溢れて
涙は出なくて
乖離した思考に
コンタクトして、
「ありがとう」
と言ったので、
全てと繋がれたんです
夏休みの終わり
3日ごとに書いている日記に
お礼だけしておきました
もうすぐ迎えに来ます
直視できないほど美しいもの
水蒸気が毛穴から出る
苦しさと現代社会においての闇
揺れていた
ママの足と、カーテンは
全て無くしてしまいました
なくなってしまいました
残念でした
迎えに来ます
呼吸を感じる
指紋をなぞって
それでも解体できない
壊れない
「どうしても返して欲しい」
返して欲しいです
壊れない
どうしても壊れないから
できないです
「ありがとう」
そうでした
足りないものを忘れていました
どこに置いてきたのですか
空が見えます
現代人の不安を全て吸収したような色
不安はもうありません
飲み込んでしまいましたので
「どこにいってしまったんだ」
当たり前です
どこにもいないのに
「教えて欲しいんだ」
遠い国の王子様は
「わからないよ」
どこにいってしまったのですか
そうだとしても、
「たりないから」
理解することはできません
「いないと困ってしまう」
わかっていますそれは、
「じゃあ」
夏の終わりによる
「そこに行こう」
溶けうる羽虫の
死骸の
「ありがとう」
あまりに臭い、
死骸の、
呼ばれない
コメント