水色の傘

わたしの部屋に
今日は朝から
雨が降っている
傘を差しながら
朝食をとり
午前は家の事を
いくつか済ませた

図画の時間
コップの中の水を
水色に塗って
その色でいいのかな、
もう一度よく見てご覧なさい
そのように先生に言われた
わたしはもう一度よく観察して
下絵を描き直し
コップの水を
水色に塗った
水色が画用紙のなかで
とても綺麗だったから
水色という色が
とても気に入っていたから

窓の外は晴れていて
直射日光を浴びた木々や建物が
今日も街の風景を作っている
お気に入りの傘があった
それは水色ではないけれど
あの景色のどこかに
忘れてきてしまった

投稿者

コメント

  1. なんだか淋しく感じました。
    子どもの時の、あるものへの執着。大人になると、色々な事に気を回さないといけない分、一つ一つに対して、雑になってしまうのでしょうかね…。あんなに好きだったものを、思い出しもしない慌ただしさ…。どこに置いてきてしまったのでしょう。

  2. 最初の3行で掴まれました。

  3. 水色ってなじみ深いけれどどこまでも拡がる色であり単語だなと思うのです。
    久しぶりに拝読して、やはりたもつさんみたいには書けないなーってにこにこしながら唸っています。
    (完全に余談ですが、カラオケで歌いたいなと思って最近『水色の雨』聴いていました)

  4. @野鳥倶楽部
    野鳥倶楽部さん、コメントありがとうございます。
    そうですよね、大人になって、行動範囲も広くなったし、自由に使えるお金も増えたのに。
    多分、好きなものって、手の届かない一番遠くにあって、その距離感がたまらなく愛しいのかもしれませんね。

  5. @トノモトショウ
    トモノショウさん、コメントありがとうございます。
    掴んだ手を離してはいけないし、そのためには惜しみない努力が必要だ、と。
    手を離されないように書き続けます。

  6. @たちばなまこと
    たちばなまことさん、コメントありがとうございます。
    「みずいろの雨」、若い人は知らないんだろうなあ。八神純子のソングライティングのセンスは抜群だったと思うのですが。
    このまま埋没させてはいけない、その重責はたちばなまことさんの双肩にかかっていると思います(念のために冗談であることを附記しておきます)。

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