
幻日
天文博士見習いの試験六回目に
あと三点で落第した時
十一回及第し損なったWは言った
「僕たちのこの人生は
一度目の一度きり
初めての事なのだから
失敗もするさ
簡単にいきっこない」
Wが指差す西日の右どなり
目をすがめた先には幻日
「上空の条件が満たされ
出現した暈ではあるが
僕はこれを
手探りで暗闇を行かねばならぬ
自分たちへの道標と見るよ」
七色の光は見る間に
薄れ消えた
太陽は斜めから愈々目映く
黄金色の夕暮れが近い
僕として初めて存在する僕
まだ見ぬこの先へ
これまでもこれからも
コメント
僕として初めて存在する僕
まだ見ぬこの先へ
これまでもこれからも
冒頭からずっと来て、最終連のここに、この詩の要があるように思いました。ここで、ポイントすることを決めました。すてき。
写真もすてきですね。
@こしごえ
様
コメントありがとうございます。
大人になっても失敗したり、迷ってばかり。大人になるのも、大人として生きるのも、初めてなので、それは難しいに違いない、自分自身に仕方ないよ、と言いたくて。
先週撮った写真です。この季節は幻日の出現が多いように感じています。
嬉しいお言葉、ありがとうございます!
こういう途中に会話文が入った形式の詩が私はとても好きなのです。ありがとうございます。
@たかぼ
様
コメントありがとうございます。
当初、二つ目の「」の内容は、地の文にしていたのですが、結果、Wに語らせました。たかぼ様にも着目して頂けて、思い直して良かったです。
こちらこそ、ありがとうございます。