人がテレビとなり
画面の中で
テレビのお話をする
音が出ないことは
蝉の鳴き声
薬のカプセルに
夏の匂いを閉じ込めたまま
二度と取り出せなくなった
漂う「商い中」の看板を
見ているうちに大人になって
そのまま誰かになりたかった
潮風の万年筆で名前を書くと
空色の歯車が
ひとつ余った
次第に大きくなる予報円の中で
恋人たちは恋に夢中になり
この拙い尻尾を踏んで
自分たちが収まる本棚の
色と形を決めている
残されたものが後悔だけならば
後悔だけを抱いて眠る
すべてが夢であるような
たぶん夢を見ていた

投稿者

コメント

  1. 夢の中を漂うような言葉の連なりが心地よく、どこか切なくて。「空色の歯車がひとつ余った」が特に好きでした。

  2. 寄せ句
    ドラえもん取り敢えず夢、ゆめありき https://wabisabi.base44.app/haiku/6a98a141cf7d2e58ae7ac67a

  3. @あまね
    あまねさん、コメントありがとうございます。
    ふわふわとした生活の中で、落ちていかないように現実の端っこにつかまっているような毎日です。

  4. @足立らどみ
    らどみさん、寄せ句ありがとうございます。

    らどみさん ドラミとばかり 思ってた

    あると思います。

  5. @たけだたもつ さん
    なんか、すべての出来事も裏から見ると、こんなにも違って見えるんだなぁと思わせてくれる詩ですね。良い夢も、悪い夢も。

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