ひとつ

色がある
わたしも色のひとつ
雨が降れば
わたしも雨になる
傘になる
音になる
流れていく水の
小さな欠片になる

何にもなれずに
置いていかれる
ひとつのわたしになる

繋がっていく
繋がろうとしなくても
答えなどなくても
そこに何もなくても

はみ出した草の葉がひとつ
風に身をまかせて
そよいでいる
あれはわたし
あれもわたし

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コメント

  1. 色のひとつ、それは分子のひとつ、要素のひとつで、雨や傘や音そして水の欠片に。世界とわたしの境界はなくすべてがわたしですべてが世界。
    そこには肩書もなく個としてのしがらみもない。

    でも次の連で突然ここまで世界と流れてきたのに自分に引き戻される。
    ”何にもなれずに
    置いていかれる
    ひとつのわたしになる”

    しかしそれは孤独ではなくあるがままの自分。
    繋がろうとしなくても、というSNS社会やストレスフルな人間関係から脱出した自分への肯定を感じました。

  2. 静かな視線、静かに気配を手渡してくる、そのような情緒を感じました。
    あなたもわたしも意味も敵も味方もなくて、ただひとつなだけだと片隅で気付いてもらえたら救われるものがたくさんありそうです。

  3. わたしになっていく。わたしである。ひとつのわたし。そんな想いが淡々と描かれていて、不思議な余韻が残る作品ですね。

  4. @王殺し
    王殺しさん、コメントありがとうございます。
    今の世相はよくわからないです。
    人間関係はものすごく希薄な感じがするのに、でも、SNSなどで繋がっていたい、その辺の矛盾した感覚が。
    SNSくらいが程よい距離感なのかな。でも、常にチェックしてすぐに返さなければいけない、そんな非常に面倒くさいルールもあるようだし。
    それはそれとして、王殺しさんがおっしゃるとおり、わたしたちは非常に細かい粒子でできていて、その粒子の数は、隕石などの外的要因がなければつねにこの地球上では一定に保たれていて、それらのリサイクルの結果として今の自分がいるのかな、などと感じてはいます。そういう意味では、すべてが同じ質量なのかもしれませんね。

  5. @たちばなまこと
    たちばなまことさん、コメントありがとうございます。
    根がポジティブで、公定歩合ならぬ肯定分愛がモットーですので(すいません、今思いついた気の利いたアメリカンジョークです)、なるべく受け入れていきたいな、という思いはあります。
    ひとつであることも、どこにも行けないことも。人を救えるなんて思ってもいないけれど、本当は救われたいのは私自身かもしれないですね。

  6. @長谷川 忍
    長谷川忍さん、コメントありがとうございます。
    お酒を飲むと容器になりますが、普段はぼそぼそとしゃべる感じで、多分、この淡々とした書き方が自分の呼吸にあっているのかな、と思います。
    おっと、誤字発見。容器ではなく陽気です。何を入れるつもりだったのだろう…

  7. @たけだたもつ
    さん

    これら4連のそれぞれの「ひとつ」がみんな混ざったら、新たな「ひとつ」になるのか、それとも「みんなのひとつ」に斉一化されてしまうのか。そんなことを考えました。

  8. @3.5代目はリハッチャン
    3.5代目はリハッチャンさん、コメントありがとうございます。
    世界をどのよう認識するのか、自分の中でも整理ができていない気がしています。
    いろいろなものとお話しできたらいいな、と思います。

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