吾と君子

夏の夜はなお暖かく、秋近き、夜は薄ら寒。
残夏の余韻去り、群山を巡らず、胸に憂い満つ。
身は弱き、いかんともしがたし。
幼き頃、愚公の物語を読む。
その志は敬うべく、事は世に伝わる。
されど故郷の地、千里の山川、寸土たりとも動かすべからず。

われ山の庭に住み、川のほとりに臨む。
夏には草生え鳥飛び、秋には冷え増す。
川に浮かぶ小舟数隻、その寂しさ、古の世と何の異ならん?

古より賢人は秋に詩を詠み、山を歌い月を賦す。
後世の君子、もし相逢うことあらば、
茶を数盞設け、筆と硯を並べ、君と約を結び、寒暖を問う。

千年の風月、人は移ろうとも、情は絶えず、思いはますます濃し。
山の花咲き乱れ、まさに君子の品性の如し。
凛とした骨、蒼たる筆の跡。
誰か秋に賦を作ることできよう?
吾と君子なり。

投稿者

福岡県

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