こもれび

あまやかな不穏の声が
かすかにひびく
午後14時

こもれびの向こう側に
何があるのかを
一日じゅう数えている
冷え切ったマグカップ

神経をしびれさせる
ちいさなひとりあそびを
覚えたのはいつだったかしら
ささやかでみじかい陶酔に
いつだって酔えたらいいのに

床を赤く染めるかなしい夜が
もうやってきませんように
肌を裂く痛みの
記憶だけがいつも鮮やかで

役目を終えた葉っぱいちまい
季節の風がはこんでいく
どこへでもない
ここではない場所

こもれびの向こう側

投稿者

東京都

コメント

  1. この時間軸はどこにあるのだろうと夢想しました。
    ”こもれび”にはポジティブなイメージがありますが、そのヴェールをめくると向こうには無口で凄惨な止まない痛みがあるのか。鳩尾あたりがうずきます。

  2. 「役目を」・・・
    これで十分わかりました
    さすが
    にうまいです

    ありがとうございます

  3. 初めの「あまやかな不穏の声」(1-2連目は希死念慮との格闘みたいなものを想像しました)という表現からそうですが、あたたかなものとの対比によって描かれるものが際立ちますね。向こう側は黄泉の国なのか救いや平穏な場所なのか。過去のリスカやいろんな記憶を今俯瞰で見ながらもどこかに親和性を感じている儚くも切実さ思いを感じました。

  4. こもれびの、あのなんとも さびしい、けれど、ちらちらとして光の束のあふれる情感を、この詩から感じます。

    覚えたのはいつだったかしら
    の、かしら、が好き。

    どこへでもない
    ここではない場所

    この連の、この二行が、特に好きです。

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