ロック’ン’ロールの死(もうひとつの)
最初にロックが来て
それから少し遅れて
ロールがやって来て
最後にンが来て
真ん中におさまる
ロックはロックフォール
ロールはロールケーキ
ンは五十音の最後
真ん中に終わり
並んで星を見ている
ンはロックンロールが嫌い
世界で一番寂しい音楽だから
今日もロックとロールに挟まれながら
他の音楽を聴いている
すべてに死があるように
ロックンロールにも死がある
最初にンが来て
ロックもロールも
二度と来ることはなかった
ンはロックンロールを流す
世界で一番寂しい音楽だから
それからンは’ ’の中におさまって
ひとりぼっちの遺影になる
それだけ見ても誰も
ロックンロールを思い出さない
そして
人が思うより人は
人に優しい
コメント
私 遺影は すげぃ笑顔なやつをチョイスしてます
私 お焼香のBGMはBUCK-TICKの
MOONLIGHT ESCAPE
を お願いしてあります
たもつさんの、この詩の 切り口が さすがだと思いました。
最終連、
ンはロックンロールを流す
世界で一番寂しい音楽だから
から来て、
そして
人が思うより人は
人に優しい
という対比も すばらしいです。
そして、
この最後の三行が、とても好きです。
死ぬと、その者に詰まっていた世界も誰も知らないところに。と、思いを馳せられるのも、それぞれが自分の世界を持っているからで、自分の世界というのは孤独なものだ、と感じます。それにしても、’ン’は健気です!
最後がやっぱりしっかりたもつさんしててたまらないなー
このお題からの着眼点がさすがです。
いい。みんないなくなってひとりぼっちで流して聴いてる、ン。思い出さない、忘れる、人はそういうもので、もちろん自覚なし、それが悲しいとか優しいとか考えも及ばない。自然なこととしてある、それらが人の優しさということもある。
すごいな。ンは最後までロックンロールとよりそったんだな。ずうっと寂しさによりそった。世間なんてどうでもいい。ロックだな。
しかしなんていう結び。
世界で一番寂しい音楽とは、、、
すごいです
ビビッときました!
ネタバラシでもないけど、英語の rock’n’roll は and の前と後ろを ‘ で省略してるわけです。なぜ日本語で書くとき ‘ はなくなるんだろうと思って、このタイトル考えました。なんかそういう背景を汲み取ってくれたような気がしました。
ンは、五十音順の最後だから、自分が最後だとわかっていたのかも。両隣はパパとママ、ロールケーキはママっぽいし。
数え歌みたいに何度もうたって欲しくなる愛着があります。
ンがかわいくなってまいました。推し。
ンの扱いをどうしたもんかと、思っていましたが、こうきましたか! 脱帽です
たもつさんの詩は心が洗われます。
いつも素敵な言葉たちをありがとうございます。