水底と月
このまま水に揺蕩って
淡い水色だけ知って
会いたいの擦り合わせ、
草の匂いも知らぬ儘
水底できらめく陽を眺めている
わたしは小さなあぶくをはいた
解けてのぼり、朱に染まる
このまま水に揺蕩って
水面に浮かぶ香りを知って
曖昧な振りをして
頬触る風も知らぬ儘
水面の上に月が浮かんでいる
さやかに澄んだひかりの束
わたしはうすく目を細め
ざらつく月の輪郭を舐めた
月の輪郭をなぞる手
ひかりに触れる空の手
このまま水底揺蕩って
わたしは何にも触れぬ儘
揺蕩って
揺蕩って
揺蕩って
揺蕩って
コメント
切ないですね…。