未来について
未来について
私は終始曖昧なままだ
己が
人の心を揺らす詩を綴れるか
また物に触れ
涙ぐむ繊細さを保てるか
知る由もない
憧れる中也とは
ただ百年隔てるのみ
月とも一つの空を隔てるだけ
一方は蒼天に皎皎と輝き
一方は塵世を奔走する
月を詠む対象と定め
明日、我が家へ照らしてほしい
もし毎夜の月が満ちていたなら
別離の哀しみに苛まれず
桜と乙女という世界に
自らを閉じこめることもなく
落花を見るたび
愁いの詩を書くこともない
中也も私と同じく
東京を踏み
街の一隅の美しきものに感慨したと知る
私は東京に属さぬ
私の胸に宿る東京のため、詩を書くのだ
我が未来よ
もし東京に住まえるなら
上野の桜を一生詠み続け
愛する人のため浅草寺雷門の畔で
生涯祈りを捧げられたら
なんと麗しきことだろう
長らく東京に居たことはないのに
その人混みを絶えず思う
未来とは何か
人混みのように浪漫に満ちた詩句であり
また静かな宵でもある
一室に佇み
古の閑人の如く
月を仰ぎ
茶を啜り
久しく赴けぬ東京を偲ぶ
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