五十人の肩車
子供の頃ウルトラマンを見て
作りものだとは思わなかった
本当に怪獣がいて
森や街を破壊し
正義のウルトラマンが戦っていると思った
その理由は空だった
セットに描かれた空は
子供には本物の空に見えた
だから怪獣もウルトラマンも本物で
大きさも五十メートルだった
あの中には人が入っているのだ
ある日兄が教えてくれた
そうかあの中には人が入っているのか
でも高さは五十メートルだから
五十人の人が肩車をして動かしているのだ
そう思った
今でも
あの中には人が入っているんだよ、と言われれば
そうか五十人が中で肩車をしているのだね
と言うことはできる
年齢は違うけれど同一人物
同じセリフ
何が違うのだろう
五十人の肩車を信じているあの頃のぼくが側にいたら
ぎゅっと抱きしめてあげたいと思う
そして五十人の肩車と言ってのける大人のぼくを
ぎゅっと抱きしめてほしいと思う
空は偽物かもしれないけれど
優しいたもつ少年ならそうしてくれると思う
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