怪物

誰の心にも
名もない怪物が住んでいる

黒い眼を光らせて
大口を開けて待っている

自分が
転げ落ちてくるのを待っている

憎しみや悲しみや苦しみに
心が飲まれてしまったとき
そいつは

にやっと
けたけたと

嗤う

愉快そうな顔をして
悲しそうな顔をして

ただ大口を開けて待っている

投稿者

京都府

コメント

  1. 私の心にも 怪物 が住んでいます。でも、今は、この怪物と私は共存関係です。
    他人には迷惑を掛けない怪物だといいです。ある意味、自戒のための怪物がすてきだと思います。そうだといいなぁ、と思います。
    その上で、この怪物という詩を読みました。うん。

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