らんまん

らんまん

時計なんて
気にしても無駄だ
艶やかな風に
秒針は蕩けてしまったから

本なんて
閉じたほうがいい
浮かれた鳥が
活字を啄んでしまったから

窓を開けて
季節に弄ばれよう
呆けたように
色と音と匂いに塗れよう

頬を緩めて
眉を開いたら
意識の端を扉ひとつぶん広げて

花や鳥のように
しばし

生きるために生きよう

投稿者

東京都

コメント

  1. 写真と合わせてこの詩を読んで、なんだか ほがらかな気持ちになりました。
    花や鳥のように
    しばし

    生きるために生きよう
    ああ、こんなふうに生きられたらすてきだなぁ、と思います。

  2. 生きるために生きよう、なんて素敵な呼びかけでしょう。
    なんとも肩の荷が下りる言葉たちでした。
    巧みな言葉運びに乗って、軽く明るく、前向きで心温まりました。

  3. 今頃の季節にぴったりの詩ですね。暖かな気に誘われ、理知より本能の部分で日々を味わう。生きるために生きるのですね。

  4. 塗れられるときを見逃さず塗れようと思いました。
    nonyaさんのポエジーは気持ちよく丁度よくととのっていて他者への優しさを感じます。

  5. こしごえ さん
    >コメントありがとうございます
    なんとなくこんな気持ちになるのが「春」なんですよね。
    命がうごめき出すと、そわそわしてきます(笑)

    ザイチ さん
    >コメントありがとうございます
    余計なことを考えすぎてしまうのが
    「人」のどうしようもなく素敵なところですが
    たまには呆けたように季節に埋もれるのも悪くないと思います。

    長谷川 忍 さん
    >コメントありがとうございます
    本能がどこまで残っているかわかりませんが
    五感のどこかに本能の痕跡を探しに行くような感じです。

    たちばなまこと さん
    >コメントありがとうございます
    ととのえすぎてしまうのが私の悪い癖です(笑)
    「塗れる」って、なんとなくイイですよね。
    また、お花見にでも行きたいなあ。

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