風船と猫

赤い風船が 
雑居ビルの屋上を越えて
空へ吸いこまれてゆく

路地裏を
うろつく黒猫が足をとめて
二階の私と、目が合う 

――幸いは
  掴むものじゃないらしい 

投稿者

東京都

コメント

  1. 諸行がこの春と夏の間の世界に
    ゆったりと空気感を強めていく

    剛さんの声で
    脳内でリーディングしました

    この時しかない
    このひとときがあれば
    俺も生き残れるのだと思います

    ありがとうございます

  2. 流れる時の中で、僕も詩域に繋がりたいです。

  3. 何故だかわかりませんが、おフランスのアパルトマンの風景が浮かびました。
    カメラワークのように映像的で、また色彩のコントラストも感じられるほんの数秒の出来事に作者の思いが乗っかっていてグッと来ます。

  4. 赤と黒。
    丸い風船、柔らかい命がすてきに存在しています。

  5. あぶくもさん

    この詩から想像して下さり、嬉しい感想です。

    あまり力を入れず、効果的に描けた感じです。

  6. たちまこさん

    柔らかいものたちは、何かを語っているようです。

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