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真夜中の公園の隅っこで、ひとり、ワルツを踊る
正しく生きられませんでしたごめんなさい
陳腐な台詞を免罪符として、首からぶら下げている
ポシェットに忍ばせた、チョコレートとヘルプマーク
だれかあたしにきづいてください
腐乱した夏の遺骸が、ゴミ箱に捨てられている
朽ちた朝顔をそっと添え、手を合わせる
季節が簡単に死んでしまうことと
あたしが簡単に死にたくなってしまうこととは、同義だ
アンタレスは、もういない
優しいひとになれなかったから、慎重に、足を運ぶ
虫や草花を、踏み潰してしまわないように
1・2・3のリズムで、逝ってしまった夏を弔う
旧い外灯の下、長く、醜く、伸びた影
美しく生きられませんでしたごめんなさい
自己満足の謝罪文
くだらないね くだらないよ
空に秋が咲いている
朝陽は眩しく、あたしは眠たい
鳥たちが目覚めて、虫たちが声を潜める
季節の狭間で吸う息は、震えながら肺胞を満たす
あたしをしょうめいしてください
摩耗した脚で家路を辿る
四次関数で生きるあたしたちを定義する方程式は
未だ、存在しないから
不用意な猜疑心に振り回されている
季節を、あたしを
留め置く定点が、ほしい
あたしが迷子にならないために
あの人がちゃんと帰ってくるために

投稿者

岩手県

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