酸素を下さい

たった1センチ足らずの
ズレで
あるものがないものとして見えるんだ
と言って
誰かが創造したんだろう なんて

眩し過ぎる闇の中に
隠れているよ きっと
世界はオレンジの発光体だから
温度の差が消えないんだ

まだ透明のままの
少年が
地下深く続いていくトンネルの煤けた壁に
ゲルニカを写す 決して
反抗なんかじゃないんだから

金網の向こうで叫んだって
届かないよ なにせ
世界はガラス張りの立方体だから
酸素も少し足りないんだ

[TONOMOTOSHO Rebirth Project No.008: Title by 旅蔵]

投稿者

大阪府

コメント

  1. 酸素は少し足りません。それは間違いなくそうだと私は思っています。ほんの少し酸素が足りないだけで人は体調を崩します。天候が悪くなると気圧が下がり体内に取り込まれる酸素の量が減ります。すると気象病になり頭痛などが発生します。この地球は人間が快適に生きていくためにはほんの少しだけ酸素が足りないのだと思います。酸素がもう少し多いかまたは気圧が常時もう少し高ければこの世界はもっと生きやすくなるに違いありません。そんな科学的な与太話はさておき、酸素が足りないという比喩は、この世の閉塞感を表しているんじゃないかと思いました。またたった1センチ足らずのズレで人生が変わることもまた真実でしょう。それはよくあることです。例えばたった1センチの差で自動車にひかれることもあるでしょうし、戦場であれば1センチの差で銃弾を受けることも珍しくありません。私たちの周囲にはたった1センチの差で死神が飛び交っていると言っても過言ではないのでしょう。

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