スローバック to ’95
損得ばかりを考えて
忖度ばかりが増えていく世の中に
寒気がしたのか 嫌気がさしたのか
はたまた慣れてしまっただけなのか
思考はとっくに停止している
今夜のスローバックは’95
今夜はブギーバック
ポップの前のメランコリー
憂鬱の後のダンスフロア
心のベストテン第1位はどんな曲だった
あの頃の僕らと言ったら
フリーフード狙いのパブ行脚
安宿のレディオが吐き出す歌は重苦しいね
猫背に羽織るグランジーなカーディガン
ショットガン直前 歪んだ音はボウイのカヴァー
そして僕らは
今夜もブローバック
内容なんかに意味はない
笑いたいから笑ってる
それだけの時間が愛しくて
笑ってる人を見て
僕も笑ってた
豚っぱな鳴らしながらやってきたバーミンガムの男
チューインガム噛んでるみたいにクチャクチャしてる
青い大きな目をとろりとギラりと潤ませて
完全に満腹中枢がぶっ壊れたように
世界を食べ尽くさんとする勢いで
すべての単語にFを連発しながら
夜中に生の食パンを貪り食ってた
本国出身のやつらがこの地の訛りを真似る
クラスマイトみたいなグラスマイト
暗闇の中でお気に入りのサングラス
毎晩毎晩3Lほどのカスクワインが空く
箱を潰して中の袋を膨らまして誰かがトス
最後の一杯を乾杯
チアーズマイト ノーワリーズマイト
だけど調子に乗ってると
互いのグラスが触れた途端にシャリンと壊れてしまうのを知っていたから
自然そこだけ僕らはありったけの優しさを持ち寄ったんだ
コメント
スチャダラパーが嫉妬するほどのかっこいいライム。あぶくもさんとは同年代だと思ってたけど、オレなんかは’95をスローバックしてもエロと死くらいしか考える余裕はなかった。心のベストテン第一位なんて内田有紀だし、「ごっつええ感じ」と「マジカル頭脳パワー」ばかり繰り返し観るだけだったなあ。
@トノモトショウ
さん、ありがとうございます。
クラプトン初来日くらいに生まれた身としては、大人になってしまえばこれくらいはもう同年代だよと括りたいとこなんだけど(え?括られたくない?)、ハタチ過ぎか、中高生かの違いって大きかったんだなと改めてしみじみしてしまった…が、数年違えど同じようにエロと死くらいだったかも(^^)
スチャとオザケンのあれは今でもそらで歌えるし大好きです。
あぶくもさんなんでも書けちゃってすごいなと。また「すごいな」が増えました。
袋をトスするくだり、絶妙に好きです。
@たちばなまこと
さん、ありがとうございます。
ワタクシ不器用なモンすから…
95年…、何してたかなと振り返ってみました。30代の半ばで、仕事が忙しかった頃だったかもです。時代縛りで書いてみるの、面白いかもしれませんね。当時、スピッツが好きで、よく聴いていました。
@長谷川 忍
さん、ありがとうございます。
確か『ロビンソン』あたりで一気にスピッツがメジャー受けブレイクしていた頃ですよね。時代縛り、いいですよね。