絶対的な秋

すみやかな空間を越えて、
できるだけ高く飛ぼうとするわたしたち、
存在するミノタウルス、画家のためではなく、
やわらかな桜貝、
指先でひかりをつつむとき、
イワダレソウ、そうした小さなものにも、
愛情をそそぐ、それはわたしの喜びを、
秋のささやかな一枚の言葉とする、
あなたの指が宇宙をなぞる、
深海から火口へと、グラスから唇へと、
ペガサスの白い肌は熱を持ち、
わたしは薔薇の香りをその奥に感じる、
薔薇はその香りをはるかな空間にとどける、
そしてあなたの名前、そしてあなたのふしど、
神秘の香りをたたえ、明るい室内のレースをゆらす、
あなたのすべらかな肌はやがて燃える、
火星の空、金星の砂嵐、月の静けさ、
しめやかなしずくとなって、わたしの喉をくだっていく、
あなたのひとみにつつまれた太陽、
神秘のナイヤガラへと、その落差を持ち、ひざまづき、
すべての秋は水しぶきとなり、
からまるようにあなたはその腕を君臨する、
精神の奥へと侵入する乳房のまるみ
わたしはめざめる、地熱する岩石のひびわれて、
わたしはオオゴンのカリン、かたく、そして空にある、
おそく咲くアサガオの花、爆破されくだかれて地に落ちる遺跡の姿、
これらの存在は秋のけはいをしる、
くだかれた精神のほろほろと砂となり、
地上のヒクイドリ、しのびよる精練の喜々としてあらわれる、
アモンの神殿へと、ひとびとのあつまりゆく、
これは秋のけはい、
細い糸のような精神のたてがみが立つ、
わたしはその塔に登り、霞みつつ見える果てしなき世界を、
ゆがんで立つ、神秘のうすげむり、これがわたし、
みわたせば、この宇宙はひとつの「変数」である、
けれど真理はあなたのこころを開こうとする、
うつりゆく季節の言葉を原子のようにする、
わたしを呼ぶ、はだかの肉体を呼ぶ、
まるで、あかされた薔薇の香り、
渚より来たりて、
夏とともに去る、
胸をひらき思え、
ヒエログリフの語る、
いまはなき草原の歌、
あなたを抱く、あなたは宇宙の神秘、
そして動くことのない湖水の光、
絶対的な秋。

投稿者

岡山県

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