写楽

久々に寿司屋の暖簾をくぐり 独り腰を下ろす 卓にはコロナ対策に透明の板が立ち 私の人影がうつる お猪口に注いだ冷や酒が進み 硝子の徳利も軽くなる頃・・・ 影がそっと囁いた ───お前は一体何者か? 不意に わたしがわたしであることが 世にも不思議であるような 何か自分のやることがあるような 思念は宙に浮かん … 続きを読む 写楽