1+1-2+2

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しくじっていく一日 いのりの一日 わかちあい ひきさかれる二人の日でした

あなたをかんがえていると不安が宣戦布告です ピーヒュルヒュルヒュル

雨が降るかもしれません 予感のなかにもいつもあなたがいました

あなたの身体になれたらいいだなんて うっすらなことばにすがっていました

好きと好きでいたいの間の言葉がぼくとあなたにあればよかったのでした

激しい雨に ことばがおやすみしても きもちはいつもいたのでした

ことばはとてもこわかったです せめてキスができればよかったのです

「あなたがぼくをすきだったらうれしい」がぜいたくなところに いました

雨と雨がたたくガラス窓の音しかしない 思えば陰気に書いてきました

ひとがいっぱいいる道でねむる さみしいあなたがわかったのでした

排水溝にぼくがたくさんながれて どれかひとつがやさしければいいのでした

チーズケーキよりも戦争よりもあなたでした ぼくはぼくよりもあなたでした

特効薬はあのひとのみる夢を夢みること 靴下くるまった猫をみてねむりました

ねむって ねむって 「ただただあなたが必要」からはじめる気持ちでした 

ねむりつづけていました めざめたそこからが本当はいまからだったのです

あふれたコップの水を すこし飲みました いつもここからだったのですね

もうすぐ絶望のものがたりが未遂におわって 不安が電話で降伏します

1+1-2+2=リルとアンナ 物憂げにロマンティックが虹となるでしょう

もはやことばではなく ことば以前のきもちに いまは賭けていました

いまこのときがいつもでした 澄みきった青空を信じるしかありません

夕方のチャイムに 苦しみながら 恋は いまも未来をみるのです

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投稿者

徳島県

コメント

  1. あなたがとめどなく気持ちをすすめるので、詩はスリルします、ひどく真剣に〈なにやかやが〉こころにとじこめられていて、これははてしないもの、それともいまだけのもの、スルリとわがこころは、かわしてしまうのか。

  2. 丁寧にワンシーンずつ撮影された映画を観るような気持ちで読みました。
    描かれた個々のシーンは脈絡がないように見えて、絡み合い、共鳴し合っています。
    美しいさびしさと喪失感、そして読み進めずにはいられない緊張感を感じました。

    (5行目の「言葉」だけが漢字表記なのは、意図的なもの・・・ではないですよね?)

  3. 意味に収斂しないプリミティブな言葉がクールです。

  4. 2人は過ごしているのだけど
    結局は相殺して
    でも、やはり日々が残る

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