濁り

履き込んだスパイク。
紅く照ったタータン。
ベスト煽るタイマー。

ピンがゴムに噛み付く。
刹那、反発で前に出る。

思春期特有の自意識。
神にもなれる万能感。
否定が美徳の大人達。

それが聞こえなくなるまで、
肺から乾いた悲鳴を奏でる。

刺さるような視線。
視界を塞ぐ下衆顔。
首席を譲らぬヤツ。

それが見えなくなるまで、
前方の景色を手繰り寄す。

やがて静寂と自分だけの世界に辿り着き、
その先にやはりあの娘の顔が浮かびたつ。
脚がもつれる。

挙句、今ではスリッパしか履かないのだけどね。

投稿者

神奈川県

コメント

  1. 急に冷え込んで、末端冷え性でさ、その上に履物がつっかけしかなくてね。
    不意に思い出した。

  2. あまりに世界はあけっぴろげで、「はきもの」はすでに吐瀉物のごとく、それでも重力の世界は、神を要請する。侵略するものは言葉ではなく、とうぜんこうだよと、わたしにだけ言う。あったかい場所へ行きたい。スリッパはあまりに冷たい。

  3. 首席を譲らぬヤツ
    かあ、感慨深いですね
    色々とイマジネーションを広げられます

    スリッパは楽です!

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