寓話 寛容の樹

宮殿の庭に
「寛容の樹」と呼ばれる
大木があります。
幹を伸ばします
枝を伸ばします

宮殿には三代続く
王室がありました。

初代王は木の幹に
蝉の姿を見つけました
二代王は木の枝に
雀の姿を見つけました
三代王は木の枝を
伐採いたしました

王家はこの三代で
終焉を迎えます
雀たちは喜びました
蝉たちは雀たちのことを
理解できませんでした

投稿者

コメント

  1. その蝉、その雀、その王たち、わたしは知っている。しかしその樹を知らない。そしてその樹の影だけが宮殿に残る。

  2. 寛容さは理解することから生まれます。
    蝉は雀のことを理解できなかったし、
    雀は蝉のことを理解できなかったし、
    王は蝉も雀も理解できなかった。
    寛容さの欠如がもたらした結末です。

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