ロケット

私はもう死のうと思う

生きるのが窮屈な時代にアディオス
道徳感と倫理観の欠如した世界に蔓延る
自己顕示欲と自己陶酔とエゴイズム

どうしてこんなに
無機質で無感情な時代になったのか

寂しい

だから私は生きるのを中断し
この世からあの世に逃避する

ロケットの機体のように
銀色に鈍く光るナイフを
震える手で頸動脈に当て
脱出まであと3秒

投稿者

コメント

  1. ドキッとする出だし。次の一行で世界と自分の距離感が少しだけポップになる印象があってそこが良いなあと思いました。そして最終行でまたドキッとする。重い内容ではあるものの、中断したり逃避したり再開したり自由に行き来できたらいいなぁと思いました。

  2. @あぶくも
    終始落ち着かない感じの調子で作っていきたくて、こんな感じに仕上がりました。最後の手が震えているので、ちゃんと脱出できるかもなかなか怪しかったり(笑)
    ありがとうございました。

  3. すごい
    死ぬことをこの世からあの世へのロケットダイブとしていますね

    ロケットエンジンのように熱く
    生きづらい日々です

  4. @那津na2
    こういう暗いテーマの詩は苦手で、一切昔は書かなかったんですが、やはり自分が大人になったからなのか、躊躇なく(という言い方も変なのですが)書けるようになりました。死とか病気とか社会へのネガティブな感情も、題材にできるようになったのかもしれません。それが成長かも。ありがとうございます。

  5. コメント失礼いたします。

    どう伝えればよいのか、難しいのですが、こういった雰囲気?はとても好きだったりしました。
    想像も楽しく読ませていただきまして、そのまま頭ごと切り離してロケットのようにスポーンと空に飛んでいけたらいいな、なんておもったり。
    衝動。
    「だから私は生きるのを中断し
    この世からあの世に逃避する」
    ここがとても好きです。
    常世、をイメージもしました。
    理想、夢、会いたい人、、
    想像すること、創造することは
    この世から脱出している瞬間なのかもしれません。

  6. @ぺけねこ
    引用して頂いた箇所は、私自身も気に入っているところです。そう、この世からの脱出、ですね。宇宙は簡単には私達が行けるところではなく、空の果てにあるような感じでもあるので、「あの世」のもっと奥にあるようなイメージなんです。私にしてはだいぶ珍しい書き方をした作品です。頭ごとすぽーんと飛ばすつもりで、挑戦してみました(笑)
    ありがとうございます。

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