ハットトリック
君たちはまるで見てないよと
すれっからしの、ビアンカは言う
サイドキックは車のように、僕はすべりだす
それでは何回転すれば、僕は走り出すのかな
アウトサイドキックはアメリカ映画のように、スマートだ
君たちも走り出せ
雨雲のもだえるように
つぎはぎだらけのこの星のように
喫水線の喉をきりきりと
ゴールをゆらす、タイサンボクのように
君たちはみずたまりを飛び越えて行く
深夜二時、コーヒーショップを飛び出していく、ゴールへと
探しだした夢の教科書、ふんわりと着地する
アイゼンハワーはチョモランマへと打電する
けぶる雪の中の、しもやけの手の
ハンブルだよ、帽子を脱いで
透視図法のゆがんだ涙だよ
ハットトリックは僕だけの楽しみにする
車はスタートする、ジャングルの中
その言語は深みを持ち、みどりの言語は走る
君はもうシュートしたかい
早くしろよ
ゴールはそこだ
ハットトリックだ。
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