蠍
さんじゅうさん回目の転生が嬉しくて
そそくさと鏡を覗き込んではみたものの
りっぱなハサミで永遠のダブルピース
さすがにこれはないんじゃないのと思ったが
それでも気を取り直して散歩に出ようとして困った
りふじんに突き出した八本足に似合う靴がない
さいあくの転生にキレて暴れ回っていたら
そっくり返った尻尾があちこちに引っかかって
りびんぐのあらゆる家具の下敷きになる始末
さそりに生き甲斐などあるのだろうか?
そういえば猛毒を持っていたっけ ならば。。。
りんねを終わらせることができるかもしれない
さんじゅうに回目は山椒魚だったから何も未練はない
そっくり返った尻尾をめいっぱい伸ばして
りっぱな甲羅に毒針を思いっきり突き刺した
さあこれで終わる 静かに目を閉じた。。。。が何も起こらない
それどころか身体中に力がみなぎっていく
り 理不尽だ これは紛れもなく精力剤ではないか
さすがに観念せざるを得なかった
そんなに簡単に断ち切れるシステムではないらしい。。。でも
りんねって りんねって いったい何なんだ!
コメント
輪廻転生と関連して三十三なのでしょうか。とにかくダブルピースがツボすぎてずっとニヤニヤして読みました。
理不尽なところでとどめです。りんねってなんなんでしょうね。
こしごえさんの「蠍」へのコメントでも書いたのですが、私は蠍という題で書こうとした場合、一つの案として例えばカフカの変身のように、自分がある日突然蠍になっていた、なんて話も面白いかなと思いましたが、上手い展開が思いつかなかったので断念しました。しかしnonyaさんはものの見事に蠍になりましたね! とても面白かったです。
最近のラノベは転生+チートってのが王道ですが、何に生まれ変わるのかわからないんだからチートって奇跡なんですよね。山椒魚も蠍も不憫だけど、まだ良い方なのかも。
転生ってほんとうにあるのかも、と思わせるnonyaさんの筆力に乾杯。
楽しく拝読しました。
でも、魂って本当は何なのか私には分かりませんが、魂って現実の世界にあるんじゃないかなぁ、と思っています。自由に思いますけど、魂があって転生する世界ってすてきかもしれませんね。
さそりの子育てが、とってもやさしい、という話を聞きました、それでさそりは、いいやつなんです。
転生&アクロスティックで来ましたか。とても楽しく読ませて頂きました。転生を断ち切る方法ですね、カオサンロードの屋台のおじさんなら知ってるかも知れません(^^)
@たちばなまこと さん
>コメントありがとうございます
とりあえずツカミはOKだったみたいですね(笑)
理不尽、って使いたくなかったけれど
いろいろ事情がありまして。。。。下記参照w
@たかぼ さん
>コメントありがとうございます
「蠍」と言われて書かないわけにはいかなかったのですが
こしごえさんへのコメントを読んで「あらら」と思いました。
少しひねりを加えといて良かったです(笑)
@トノモトショウ さん
>コメントありがとうございます
まあ、展開しやすいテーマなんでしょうね。
スライムがなんたら、なんかに比べると
蠍や山椒魚やダンゴムシなんてまだ可愛いのかもしれません。
@こしごえ さん
>コメントありがとうございます
魂や輪廻転生については私もよく分からないのです。
でも、人に前世の記憶がなくて本当に良かったと思います。
覚えていたらファンタジーどころじゃないですからね(笑)
@坂本達雄 さん
>コメントありがとうございます
やはり見た目で判断しては駄目ですね。
人を殺すほどの毒を持っているのは数種しかないらしいですし
殺し屋風の子煩悩というのも案外素敵かもしれません。
@あぶくも さん
>コメントありがとうございます
アクロスティック!よくぞ触れてくださいました(笑)
自分で自分の首をしめながら書いたような詩なので
なんだか報われた気分ですが。。。。
やっぱり、全体のバランスが微妙かもしれません(笑)
弱虫のサソリが、虐められて虐められて怨みで毒を刺すのではなくて
虐められても精力剤を出してしまうとは令和ならではの展開が楽しい
@足立らどみ さん
>コメントありがとうございます
もしサソリが自らの毒を食らったらどうなるか。。。
安直ですが精力剤ということにしておきました。
別にマヨネーズでも三杯酢でも良かったのですが(笑)
興味深い発想です。私も、蠍の詩を書きましたが、輪廻、転生、という発想は思い浮かびませんでした。苦い?ユーモアが散りばめられていますね。
蠍の生き甲斐(笑)
楽しませて頂きました!
ありがとうございます!
@長谷川 忍 さん
>コメントありがとうございます
「りんね」は苦し紛れに出てきました。輪廻ときたら転生ですよね。
あとは書きながら形にしていきました。努力賞ものです(笑)
とにかく自分のパターンに持ち込めたのでホっとしています。
@那津na2 さん
>コメントありがとうございます
そうです。ダンゴムシにはダンゴムシの生き甲斐があるように(笑)
楽しんでいただけて、本望です。それだけの文章です。
これからも、素敵なお題を期待しております。