椅子

揺れもしない
回りもしない が
手触り良し
なめした革の匂い良し
包み込むような心地良し

まどろみかけの僕は愛撫を続けて悦に虚ろむ
他のやつには座らせないと独り占めると
椅子はキシムッと音を立てて応えた

投稿者

千葉県

コメント

  1. すてきないい椅子ですね。この詩の椅子は(物理的にも、椅子自体のこころ的にも)いろんな意味でいい椅子だと感じます。そういう詩のおもしろさをこの詩から感じるんです。

    私は物が好きです。椅子では無いんですけど、自室の円いちゃぶ台とか、ローデスクとか大好き。でも、基本的には今ある物で十分満足です。思い入れがその物その物にあります。
    あぶくもさんも(この詩の椅子は架空の物なのかな?)その椅子が大好きなのでしょうね?
    人に対してもそうですが、物を大事に出来る人を尊敬します。

  2. 愛着のある物
    好きなもの
    お気に入りの自分だけのもの
    車、自転車、まくら!
    椅子
    俺もお気に入りの椅子に10年座っています
    相棒です

  3. @こしごえ
    愛着って良いなぁと思います。その昔、寮に住んでいた頃、吉祥寺の質屋さんで丸い卓袱台を買ったのですが、裏に「昭和二十五年 滝沢」って書いてあったんです。なんかたまりませんでした。

  4. @那津na2
    さん、良いですね〜。メンテしながら長く使える良いものに囲まれていられるのは幸せですよね。私はそんなに良いものでなくても長く使うんですが(^^)

  5. 椅子に、ちょっと、人生を重ねてみたりします。
    まどろみかけの僕は愛撫を続けて悦に虚ろむ
    このフレーズ、深いなあ。
    そうなんです。
    悦に、虚ろむ。

  6. @長谷川 忍
    さん、ありがとうございます。
    この詩は実は大学生ごろに書いたものですが、「悦に虚ろむ」という造語めいた表現が生まれたことで今も気に入っている作品となっています。そこを深いと感じてもらえてとても嬉しいです。

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