ちいさな
言葉の狭間で
いつも待っていた

不安がるわけではなく
苛立つわけではなく
微笑むわけでもなく

日がいくぶん
長くなった

わたしの勝手な思い込みを
憶えていて
時々
話を振ってくれる

それでも
気になってしまう

なにを守っていたのか
尋ねたら
とたんに失ってしまうような
移ろいもあったよ。

早春のちいさな
喩の狭間で
いつも待っていたね。

今ごろ
思い出してしまう。

投稿者

東京都

コメント

  1. 振り返ってみれば、自分は
    「なにを守っていたのか
    尋ねたら
    とたんに失ってしまうような
    移ろい」
    の積み重ねだなぁと思いました。
    もう少しこの詩とともにそれらを味わってみます。

  2. なにを守っていたのか
    尋ねたら
    とたんに失ってしまうような

    このあたりで何故かとても共感しました。
    小さな言葉の狭間で私もじっと待っていたりします。

  3. @あぶくも
    あぶくもさん、「守っていたのか」の箇所は、どの表現が適切なのか、ずいぶん迷いました。そのように読んでいただけると嬉しいです。詩は、読者が育ててくれるのだな、と常々思っています。

  4. @nonya
    nonyaさん、言葉の、比喩のイメージと、男女の機微を絡ませて書いてみました。…私自身、実は待っているのかもしれません。いつも迷いつつ詩を書いています。

  5. ところで、お薦めの「レキシントンの幽霊」読みました。面白かったです。ありがとうございました。

  6. @たかぼ
    たかぼさん、読んでくださったのですね。嬉しいです! 私も、久し振りに読み返してみたくなりました。

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