これも運命 天の自由だ

これも運命 天の自由だ
と真昼の幽霊は言った。
天気雨が、
きららきららと輝きながら降っている。
明後日に私が
生きているとは限らない。
風はただ通り過ぎていく

これも運命 天の自由だ
と真昼の月は言った。
私が死んで居なくなっても
自然はすてきな自然だ。
しかし、
あなたが死んで居なくなったら
私はさびしい、というのは
私のわがままか。
光はただ影を生む

これも運命 天の自由だ
と真夜中の静けさは言う。
静けさが 私のこころにしみてくる。
自室の木製のローデスクの上には
書きかけの詩が書いてあるノートが
のっている。外からは
こおろぎの歌が幽かに聞こえてくる。
私はただ詩を書く

これも運命 天の自由だ
と夜を知らない太陽は言う。
夜のことは知らない太陽だけど
闇を知っている太陽の光と
私の闇はどこかで
つながっている。ある立場では、闇があるからこそ
光は光でいられる。目標は死ぬまで生きること
生きるとは、死ぬことでもなくてただ死なないことでもない

投稿者

コメント

  1. この詩を通して、世の中の事物や感情に対する壮大な諦念、決意にも似た度量の大きさのようなものを感じます。

  2. @あぶくも
    あぶくもさん コメントありがとうございます。
    まず、あぶくもさんが そのようにこの詩から感じ思って言ってくれたことをありがたく嬉しく思います。ありがとうさま。
    ああ、しかしまあ(私のことを良く思ってくれている方にはこういうことを言うと失礼に当たるかもしれませんが)、普段の私は短気で細かいことなどに振り回されている小物ですよ。^^;
    でもまあね、ふとした時などに この詩の これも運命天の自由 という言葉を思うと、その時に起きた物事を受け入れたり出来るんだと思います。たとえその物事が自分にとって悪いことでもね。うん。
    あぶくもさんに言うことじゃないけど、折角だからこの機会に念のために言うと、ただ この これも運命天の自由 という言葉を、悪いほうに使われるのは良くないことですね。「天が決めたことだからおれは悪いことをしてもいいんだ」とかいう奴が出てきそう。それはいけない(果物ナイフも果物の皮をむいたりするのは良いことですが、人などを傷つけてはいけませんよね)。言うまでもないことかもしれないけど、常識の範囲で みんなが この これも運命天の自由 という言葉を思ってくれたらいいと思いますよね。まあ、つきつめていくと 自由 なんですが、そこには自己責任もついてまわる。でも、大きな宇宙(世界)から見れば、天の自由には違いない。言ってみれば、人の力などの及ばないところの運命や天の自由。あぶくもさんへ私が以上のように言っていることも、見方によっては運命の内だし天の自由です、と言っていることも運命の内だし天の自由・・・・・・
    (偶然性って本当のことなのか私は疑問に思います。だって、世界は因果的必然の世界だと思いますから。んー、本当のことは誰にも分からないかも、かもしれませんけど??)

    うん、でも、あぶくもさんがこの詩を感じて思ったりして分かってくれて嬉しいです。(^-^)

  3. 自室の木製のローデスクの上には
    書きかけの詩が書いてあるノートが
    のっている。外からは
    こおろぎの歌が幽かに聞こえてくる。

    この心象風景が良い雰囲気ですね。

    もし運命に転がされているだけだとしても
    私も状況などそっちのけで
    馬鹿みたいに詩を書くんだろうなと思いました。

  4. @nonya
    nonyaさん コメントありがとうございます。
    その風景は、8月頃のこおろぎが歌を歌っている頃を思い出しながら書きました。
    自室の木製のローデスクという机は実際に私が使っている机がモデルです。濃紫の(たしか「ブラックチェリー」という木製の)折りたたみ式の大好きな机。20年ほど前、下北沢の雑貨店で求めたものです。定価1万円のもの。
    nonyaさんがその風景を良い雰囲気と感じたりしてそう言ってくれてありがたく嬉しいです。ありがとうさま。

    うん、そうですねえ。もし、そうだとしても、何か無い限りは私も詩を書き続けていくことでしょう。(^-^)

  5. やはりこしごえさんは、素晴らしい詩人だと思うのです。

  6. ああ、確かに太陽は夜を知らないですね
    全てに影ができて
    埃にも影ができるのかとふと思いながら幽霊に気づかれて
    月も星もゆったりと
    冷たい空がいつのまにか暖かい

    哲学です
    ただ詩を書く
    生きて楽しんで泣いて悲しんで思いやって夜も昼間も少し匂う裏路地でも俺は力強く歩こうと
    思いました

  7. @服部剛
    剛さん コメントありがとうございます。
    ああ。剛さんにそのように言ってもらえて たいへんありがたく嬉しく思います。ありがとうさま。(^-^)
    剛さんとこの詩のこころがうまく重なり合ったのでしょうね。それは貴重なことです。
    剛さんが、この詩を丁寧に読んでくれたこともそうだし、剛さんという詩人の魂が奥深く素晴らしいからこそ、そのような感想を持ってくれたのだろうと思います。
    まあ、あんまり言い過ぎるとあれなんで。でも、剛さん、ありがとう☆

  8. @那津na2
    那津さん コメントありがとうございます。
    ん、太陽が夜を知らない ということに、同意してくれて ありがたいです。
    まあ、光は屈折とか反射とかするでしょうから、影はどうなんでしょうねぇ、物を知らない私には ほんとのところは分かりませんが。

    幽霊。
    幽霊に対する一般的なイメージや宗教などが言う既成の幽霊とは異なって、私の『思う(想像などする)』幽霊(死んだ存在の魂)ってもっと自由な存在です。幽霊って宇宙(の魂)と融合とかしてるかも?
    変な話、私はあるふしぎな事実を体験してから、幽霊の存在が在ると『思う』ようになりました。まあ、信じられないような ふしぎな一致を体験したのです。ふふ。まあ、いいですけど。^^;
    ただ、普段はあんまりこういうことを(頭がおかしくなっちゃうから)考え過ぎることはありません。とはいえ、ご先祖などの仏さん(幽霊)や昔一緒に暮らしていた猫しゃんや鳥達などの仏さん(幽霊)達へ、手を合わせたりしてお礼などを言って感謝などはします。ふふ。

    哲学、んー、哲学なのかなぁ。哲学のこともサッパリ分からない私です。ふふ。
    でも、ただ詩を書く、というのは ほんとにそう思う。
    那津さんが この詩を読んでくれて、そのように力強く歩こうと思ってくれたことを貴重で嬉しく思います。そう思ってくれて ありがとうさま。(^-^)

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