つまり

壁がそこにはある
見ることはできない、触れることはできない
ただそこにそびえているということだけは、なぜだかわかる

終わりを見てみようと歩いてみた
百歩歩いてみた、まだ見えない
千里歩いてみた、まだ見えない
万年過ぎたとて、まだ見えない

ほかに別の道から向こうへ行けるのではないか
あたりをうろついて探してみた

川があった、森があった、山があった

川は向こう岸が見えない
橋が見つからなかった

森は陽の光が見えない
道しるべは見つからなかった

山は山頂が見えない
山道はなかった

ぐるぐるとまわって結局壁まで来た
どうやらここは抜け出すことのできない場所らしい

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