020

020

飛んでいけばいい
行っちまえばいい
挨拶もなく
唐突に

後ろを振り向かずに
凛とした背中を見せてくれ
迷うことなく
真っ直ぐに

残される痛みに
慣れることはないが
長い時間をかけて
見送る術を学んだ

やがておまえの姿が
針葉樹の端に
ピリオドを結ぶように
消え去る頃

小さくひとつ
溜息をついた私は
飛ぶことをやめた者の勤めに
戻るだろう

想い出はどれも
後ろ姿ばかりだ

投稿者

東京都

コメント

  1. この詩を拝読して、この詩から覚悟を感じます。
    想い出はどれも
    後ろ姿ばかりだ
    そして、この言葉に哀愁も感じます。
    鳩の躍動感ある写真もすてき。

  2. はじめまして。初めてコメントさせていただきます。よろしくお願いします。
     こちらの作品と他にも、拝読させていただきまして。どれも、心へ浸透して
    まいります印象深い作品ばかりでした。
     感想を上手く文章には出来ませんので…勇気を持って今、コメントを失礼
    させて頂きました。
     貴方様のような詩人さんもここに、おられるのだと知りまして。詩人会に
    自分の拙い作品を投稿させていただける事が、ありがたく、より楽しく思えて
    まいりました。今後もぜひ、よろしくお願い致します。

  3. @こしごえ さん
    >コメントありがとうございます
    歳を重ねる度に、いなくなってしまった人達のことを想う時間が増えました。
    良い出会いもそうでない出会いも今となっては愛おしいです。
    寂しさももちろんありますが、それでも生きていかなければならない
    覚悟。。。というより諦めかもしれません。

    @リリー さん
    >コメントありがとうございます
    まずは、過分なお褒めの言葉をありがとうございます。
    あくまでも自己流で自分の中のあれこれを書き散らしてきました。
    途中で何度も「現代詩」らしく書こうと試みましたが、私には無理でした。
    このまま、ゆっくりと走り続けるしかないようです。
    こんな有様ですが、見つけていただいて、読んでいただいて本当に感謝します。

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