アウトライン

中指の甘皮
その下の瘡蓋
爪をたて
血が滲むのを待ち侘びる
個の群れ
赤ん坊のお喋りが
尖った空気をまるくする
黄昏には闇の中に刺さるであろう車両の
輪郭をくうになぞる
四十女の戯れ
                                                                             

投稿者

東京都

コメント

  1. こんにちは。またははじめまして。
    前の投稿から三月経ってしまいました。
    詩マインドにもアップダウンがありまして、また少しずつ上がるのかも?な雰囲気です。

  2. 尖った空気をまるくする赤子のお喋りが好きだな。毎日まるくしてほしい。闇に刺さる車両のアウトラインは何を意味するのだろう。幼な子と母親を置いて男が去っていくのだろうか?
    詩マインドのアップダウンは私などは酷いもので、この詩人会の再興によって12年ぶりに目覚めさせていただいております。

  3. この詩を拝読して、いてもたってもいられない心地になりました。たちばなさんの詩の妙というか。空気感がさわさわするんですよね。まあ、一言で言うと たちばなさんの詩 すてき、ということ。

  4. おかえりなさい〜。
    詩マインドのアップダウンの話、とても共感します。干潟の潮の干満のようです。
    アウトライン=輪郭 が何だか黄昏の中の闇に視覚的に浮かび上がりました。

  5. @たかぼ
    さん。読んでくださりありがとうございます。
    車両に乗る個の群れを線画で描いているイメージでした。この詩を書き始めたのは冬で(黄昏が早い)しばらくほったらかして急に仕上がった感じです。
    たかぼさんの12年はまあるい命たちを手招く大切な日々だったことでしょう。

  6. @こしごえ
    さん。いつも読んでくださりありがとうございます。
    いてもたっても?嬉しいですね。
    かくものつくるものには人が滲むと思っていて、だれかのお気に入りになるような風を吹かせられていたら良いです。

  7. @あぶくも
    さん。アップダウン共感してもらえて嬉しいです。マジありがとうございます。(ただいま〜)潮的にはムツゴロウてけてけ歩いていました。
    輪郭、シルエット、色のどれかで捉えるとしてこちらは輪郭のイメージでした。

  8. 夕暮れの街の雑踏と、電車内での、光景、情感をふと想像してみました。個の群れ、そして、赤ん坊のお喋り…。ここの場面が効いていますね。

  9. ああ
    詩域に入りこんで
    窓の外を眺めながら人生や時を見ていながら考えていながら歌を歌っていて

    いいなあ

  10. @長谷川 忍
    さん。長谷川さんに街を感じて頂けるなんて一際嬉しいです。
    街も電車もすれ違うだけの人がいるところで、ひとつの黄昏、ひとつのまるみを一瞬共有できたときの空気が好きです。

  11. @那津na2
    さん。電車ではスマホばかり見てしまうのですが、ふと見上げたときのまあるい空気が人生に必要なエッセンスだと気づく。そういうのいいですよね。

  12. @Yatuka
    さん。最上級の賞賛をありがとうございます。普段語彙力のある方がこのように書いてくださるなんて!
    好きって力がある言葉だと思います。

  13. 日常からふと一瞬離れた、別次元の詩空間に漂う、たちまこさんの世界を垣間見た感じがしました。中指の甘皮から視点が展開し、詩域に到達していく過程が素敵です✨

  14. @渡 ひろこ
    さん。プロのコメントありがとうございます!自分の別次元は平面の重なりというよりはパイプが集まっている感じがします。なんて考えていたらみなさまの別次元の捉え方も気になりました。

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