役目という命

役目という命

小さくて
手のひらにのる
青黒くて艶消し肌の石を
持っていたけど
いつの間にか亡くした
そうやって亡くした存在が私には
今までに数えきれないほどあるのだった。
物体であっても
その物体の役目という命がある。
役目を失った時に ある意味
その物体は命を失うのである
しかし、
役目が無い という役目もあるよね
そうだが いずれ終わるから良いのだった。
宙の小箱に無数に在る
何というものではなくなったものたち
私という存在もどの道
影も形も名も亡くなり
その宙の小箱で
くつろぐのであった。私というやつは
機能的な物体が好きだ でも
機能的だけではなく
ある種の趣がある物体が特に
好きである たとえば、二千十一年二月十一日金曜日に手に入れた
「タウト アフリカ黒檀」万年筆は
私にとって最高の物だ
この万年筆は筆圧を掛けなくても
しゅるしゅると心地好く書けるところが機能的で
手首のけんしょう炎だった手に優しいのです
そしてアフリカ黒檀の木軸は艶々としていて
黒地に茶色の縞模様があり
木の風合がすばらしい。しかし、
物をつくるのは人だ このタ―しゃんこと
タウト万年筆をつくったKさんから
手紙や葉書を頂いた。物に宿るこころ

投稿者

コメント

  1. 素敵な木軸の万年筆ですね‼️
    ものに宿るこころを愛でながら、一緒に過ごす時間の経過と、そのもの自体の経年変化も楽しみたいですね。

  2. @あぶくも
    あぶくもさん コメントありがとうございます。
    ああ、あぶくもさんがそう言ってくれて ありがたいです。ありがとうさま♪
    あぶくもさんは分かってくれてる。そうそう、万年筆のペン先自体が長年書いて愛用していく内に書き手の書きグセに合ってきてペン先が育つんです(ただ、このターしゃんのペン先は、作り主の職人さんに調整してもらっていて、インクフロー(インクの出る量)をかすれない程度に最大限まで上げてもらっているので、最初から書き味抜群なんですが、愛用していく内にもっと書き味が良くなるでしょう)。更に、あぶくもさんのおっしゃる通り、このタウトは木軸なので、木軸を磨いたり木の経年変化も楽しめる。
    ちなみにこのタウトは、2009年に求めはしましたが、使ってすぐに壊してしまい10年間保管しておいたのです。それで2019年の冬に作り主の数野さんに修理に出しました。それから一年間ほど愛用してから再び休眠。で今年の4月から2度目の復活をさせて愛用を再開させました。2020年からシャーペンライフを始めました(シャーペンは、三菱鉛筆 uni「クルトガ アドバンス 芯径0.5ミリ」を愛用。このシャーペンの「芯折れ防止機構」の作動中は絶対に芯が折れないのです。※説明書きをよく読んで愛用を開始しました)
    詩作と日記帳はシャーペンが(消しゴムで字が消せるので)便利で今もシャーペンで詩作等してます。万年筆で詩作をしていた時期が長かったのですが、手首のけんしょう炎がある程度良くなったので、今もシャーペンで詩作等してます。ただ、雑記用ノートでは一度に長めの文を書くのでシャーペンだとやはり手指や手首に負担が掛かります。なので、雑記用ノートは筆圧が要らなくて手に優しい万年筆で書いています。あと、手紙や葉書はこのタウトで書こうと思っています。このタウトに入れているインクはセーラー社の「青墨(せいぼく)」顔料インクです。
    うん、でもそうです。ものに宿るこころが在って、これらが何倍にもすてきに思えるようになる。ありがたいことです。
    ※(大好きなタ―しゃんのことなので、つい長くなりました。読んでくれて ありがとうございます。拝礼 )

  3. @こしごえ
    さん、スゴい熱量の筆記具愛ですね‼️
    こう言った誰かが何かを愛でる時の思い入れみたいなものへの共感はとてもありますし、そう言う話を人から聞くのも好きですね。

  4. @あぶくも
    あぶくもさん 引き続きのコメントをありがとうございます。
    わあ!あぶくもさん そう言ってくれて、とってもありがたいです!!
    ふふ、私のここのプロフィールでも言ってる通り、私のモットーは、「詩人の魂は筆」ですからねぇ。筆記具は道具なんですけど、筆記具にどうしても こだわっちゃうんです。ふふ。
    あぶくもさんが そういうふうに共感などしてくれて貴重に思います。
    あぶくもさん♪ 重ねて ありがとうさま☆(^-^)

  5. @あぶくも
    あぶくもさん、先ほど、タウトの作り主の数野さんからの手紙をきちんと確認したら、タウト万年筆を手に入れたのは2011年 2月11日金曜日でした。今タウトを入れている一本挿しのペンシース(ペンケース)に書いてある年月日が2009年だったので、それと記憶が混同しちゃってたようです。
    まあ、そんなに深刻になるほどのことじゃあありませんが、事実としてこの作品中の年月日も修正しておきました。
    拝礼

  6. 物体であっても、その物体の役目という命がある。…これはよくわかります。とくに万年筆は、その命が濃いかもしれませんね。私も万年筆を手にしますので、共感いたしました。

  7. @長谷川 忍
    長谷川さん コメントありがとうございます。
    長谷川さんがこの詩の要をよくわかってくれて ありがたいです。
    そうですねぇ、万年筆は万年筆職人さん達が言っているように、長年使い続ける内にペン先が育っていくものだと言いますからね。万年筆は書き続けるという役目が命でしょうか。いわゆる鉄ペンと言われているペン先がステンレスか何かのものは、ペンを落としたりぶつけたりしてペン先を曲げてしまった際には、大体ペン先を交換するしかないらしいのです。それとはちがって、金ペンと言われているペン先が金のものは、ある程度の曲がりなら(職人にもよるけど)職人さんが直してくれる。まあ、全てそうだとは言えない場合もあるでしょうが、万年筆全般で言えば、万年筆は一生モノだと言えるのではないでしょうか。
    長谷川さんが万年筆を手にしていることは以前聞いたことがあります。万年筆いいですよね♪長谷川さんが共感してくれて貴重に思います。共感してくれて ありがとうさま♪

  8. 文房具っていいですよねー。

    万年筆の筆跡の余韻が美しく。

  9. @たちばなまこと
    たちばなさん コメントありがとうございます。
    ああ、たちばなさんが文具の良さ、万年筆の良さを分かってくれて嬉しいです。ありがたい。
    そうそう、万年筆って使う人それぞれに味のある筆跡になりやすいので、おもしろいと思います。まあ私の場合、もともと下手な字ですが、万年筆で書くとそれなりに(自分で言うのもなんですが。。)かっこいい字が書けると思ってます。。ふふふ。^^;
    でも、冗談抜きで、文具いいですよねー。
    たちばなさん、文具話題にのってくれて、ありがとうさま♪

  10. 素敵な万年筆。詩人の持つにふさわしい重厚で味わいのある様が詩と共鳴しているようです。
    物が優しいのは、贈る人が優しいから、そんな想いを感じてじーんとしました。

  11. @ザイチ
    ザイチさん コメントありがとうございます。
    んん、ああ、ザイチさんがターしゃんのことを素敵な万年筆などと言ってくれて嬉しいです。ありがとうさま♪
    うん、物に宿るこころがあっての物だと思うんです。それは物をつくる人のこころが物に宿る。その点もザイチさんが汲んでくれて とってもありがたいです。
    ザイチさんがこの詩をすてきに感じてくれて貴重に思います。
    重ねてありがとうさま☆(^-^)

コメントするためには、 ログイン してください。