はじまりの木
ぼく生まれたい
ぼくの中の小さなぼく
はやく生まれたい
さがしてもどこにいるのか
たずねてもだれも知らない
きのうのぼくではない
きょうのぼくでもない
たぶん
あしたのぼく
風になって
雨になって
葉っぱになつて
木になつて
いっぱい生まれる
そのときぼくは
ぼくを捨てる
ぼく生まれたい
ぼくの中の小さなぼく
はやく生まれたい
さがしてもどこにいるのか
たずねてもだれも知らない
きのうのぼくではない
きょうのぼくでもない
たぶん
あしたのぼく
風になって
雨になって
葉っぱになつて
木になつて
いっぱい生まれる
そのときぼくは
ぼくを捨てる
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コメント
本当になったお伽話のような。
わたしもわたしを捨てられるようになれるかしらと、想像しました。
遠くから温かく呼ばれているような気がしました。
なって→なつてに変わるだけで、時間を逆にもどしていくような、いくつもの種になつていくような、不思議です
本当のいのちが自分の中から芽生える希望を、感じます。 ラスト2行の感覚は深いです。
かわいいのに綺麗な
ことばがいいです。
たちばなまことさん
はじまりの木になれたら、自分を捨てられるかもしれませんね。ほんまかな?
*
あまねさん
近くで今朝、うぐいすの声を聞きましたが、どこに居るのか見つけられませんでした。
*
timoleonさん
なって、なって、ばかりですね。なかなか木にはなれそうにありません。今もなお。
*
服部 剛さん
いま、木々の若芽がどんどん生まれていますね。これは何かの始まりでしょうか。
*
忘流人さん
かわいい言葉でごめんなさい。もう生まれ変われないほど年をとってしまいました。
初めまして。無駄のない言葉づかいで最初からずっときて、「いっぱい生まれる/そのときぼくは/ぼくを捨てる」となるところがうまいし「おおーーーっ!」となり感動します。すてき。
お久しぶりです。私は、近しい者が臨月なのです。だから、胎児のことを おもいました。おなかのなかどは、つい最近まで 魚みたいだったのに、爬虫類になって、胎児は まるで 生命樹のような感じです。
風だったころも たぶん あったろうし、
葉っぱだったことも きっと あったんだと おもうので、
わたしも いつも あたらしい
はじまりの木に きっとなれる気がしてきました。
こしごえさん
コメントありがとうございました。
古くなったものを捨てながら、新しいものを探しつづける。
新緑の季節には木になりたいと思ったり。
るるりらさん
ここでまたお会いできましたね。
大きな生命樹の一枚の葉っぱとなって、風に吹かれています。
新しいはじまりの木となって、新しい活躍を始めてください。