仄かに薫るペトリコオルが

僕の記憶を揺らす

嫌になるほど目に焼き付けられた

壊れかけの半透明

どうしようもない鈍色の天井

流れる雨粒

濡れた硝子手毬

耳が裂けるほど蘇る

雨がコンクリイトを削る音

雨音混じりの泣き声

傘柄が軋む音

あぁ

雨が降っている

投稿者

滋賀県

コメント

  1. 冒頭2行、誰しも似た経験があるのではないかと思えるが、言葉に記すと独特の印象をもって詩文となるのだと気づかされました。

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